居酒屋の詩 (50) 「この味がいいね」と君が言ったのは 一年前のこの立ち飲み屋
住宅新報 2019年5月14日 号 13面
連載: 居酒屋の詩

かねてから立ち飲み屋を利用する人たちの利用目的に興味があった。観察によれば、一人客並みに多いのが二人客で、その多くは男同士だが興味深いのはその取り合わせの多彩さである。会社の同僚はさほど多くなく、競馬仲間、仕事を請け負った職人とその施主、齢の差3倍はありそうで関係不明の異色コンビも。
しかし、私が本当に興味あるのは一人客のほうだ。店主や店員と顔見知りなので一人で来ても話し相手がいる、つまみメニューの中に絶対の好物がある、家は近いが帰って一人で呑むよりはいい、更に店で働いている若い女の子が目当てというのは私だけか。
それにしても立ち飲み屋が一人客にとって居心地がいいのはなぜか。普通の居酒屋ではたとえカウンター席であっても馴染みでもないかぎり落ち着かない。それに引き換え立ち飲み屋は一人客が前提だから、出てくる料理のボリュームも一人前。想定されている快さである。(写真=創業10周年迎えた晩杯屋飯田橋東口店)






















