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スタンダード会員限定抜き取り検査と大型試験設備を 日本学術会議が免震不正受け提言

住宅新報 2019年5月7日 号 2面

総合
記者会見で提言の説明をする米田委員長(中央)と和田委員(左)、高橋委員

記者会見で提言の説明をする米田委員長(中央)と和田委員(左)、高橋委員

 同委員会によると、一連の不正の背景には、製品の性能確認を主に製造会社の自主出荷検査に任せてきたことや、国内に実大の製品を実際の地震時の状況に近い形で試験できる大型装置が無いことなどの問題点がある。そこで同提言では、(1)第三者の試験施設を用いた抜き取り検査、(2)大型製品の実大試験施設の導入、(3)共用の大型試験設備を持つ検査機関の設置――の3点を提唱した。

 (1)については、「各製造会社独自の方法による自主検査しかしていない場合は、データ改ざんの温床になりやすい」と指摘。そのため、発注者や設計事務所、建設会社などの指示により、任意に設置前の製品を抜き取って第三者の試験施設に持ち込んで試験することが有効だと訴えた。

 また(2)では、(1)を実現するためにも、米国やイタリア、中国などでは国立研究機関などで活用されている大型試験機を、我が国でも導入することが必要だとした。建築物の大型化に伴い免震ダンパーも大型化しているものの、製造会社では高額な実大試験設備は導入できず、ほとんどの場合は低速度の縮小モデルなどによる簡易検査で性能試験を行っているのが現状。そのため、国内にもダンパーの大型試験施設を整備することが「強く望まれる」とした。

 (3)では(2)に関連して、共同利用を前提とした大型試験施設を持つ第三者検査機関を設置すべきだとした。設立に当たっては国の支援と合わせ、免震・制振製品と関わる製造会社や建築設計事務所、建設会社、不動産事業者などから広く資金を募り、官民が連携して設立する形を求める。

 免震製品に関する一連の不正を受け、同省も外部有識者委員会を設置して対策を提言している。これに対して米田委員長は「国の有識者委の提言もよい内容だと思う。しかしそちらでは言及していないが、国内に大型試験機がないことは大きな問題」と指摘する。また和田委員も「国の有識者委は〝今ある設備や制度で明日からどう対策するか〟というコンセプトのため、我々のほうが一歩踏み込んだ内容となっている」と方向性の違いを説明した。

 また「企業だけが集まっても話は進みにくく、国が音頭を取るだけでも企業は動かない」(和田委員)、「この提言をきっかけに国内の気運を高め、他団体とも協力して提言の実現を目指す」(米田委員長)とそれぞれ述べ、学識者団体の立場から官民に強く働きかけていく方針を示した。

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