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スタンダード会員限定行政トップに聞く(1) 住み続けたい子育て先進区に 東京都中野区 酒井直人区長

住宅新報 2019年4月16日 号 3面

総合
酒井直人区長、岐阜県出身、47歳。早稲田大学法学部卒業後、96年から中野区職員を経て、18年6月に区長就任。区職員として電子システム導入や広報等を担当。趣味の居酒屋巡りでは400店ほど知っている。

酒井直人区長、岐阜県出身、47歳。早稲田大学法学部卒業後、96年から中野区職員を経て、18年6月に区長就任。区職員として電子システム導入や広報等を担当。趣味の居酒屋巡りでは400店ほど知っている。

地域社会を継承

 ――職員を経て区長に就任された今、中野区の特性や課題は何だと思いますか。

 今回、私が選挙で訴えたのは、子育てに力を入れていく「子育て先進区」でした。中野区が抱える住宅事情には、ファミリー向けの物件が少なく、子供が少し大きくなると区外へ引っ越されてしまうことや、2LDKでも家賃が割高であるなど環境的な要因が大きい。やはり子育て世帯は区内に住み、かつ学校にも行ってもらって、将来的には地域を担う人材になっていくというサイクルを作っていかなければならない。今は外からどんどん転入してくるからいいかもしれないが、人口減少の局面に入った時に、そういう自治体は衰えていく。

 住民の方々が根付き、地域社会を継承していくよう子育てに力を入れていきたい。

中野サンプラザ跡地 開発方針を6月発表

 ――中野駅新北口駅前エリアの開発方針は。

 中野のにぎわいの核となるシンボリックな開発、駅前の一等地を生かしたプランにしていきたい。中野サンプラザは、区民や区民以外の方からも非常に愛着を持っていただいている。集客力や中野の知名度への効果があった。機能をある程度模して、建て替え後も愛される施設になってもらいたい。6月に計画のパブリックコメントを実施してそれをもとに検討していく。

 中野駅周辺を一つの街と捉え、サンプラザや中野ブロードウェイのように駅周辺が文化・芸術、サブカル(サブカルチャー)の発信拠点になると思っている。

起業家支援、空き家利活用

 中野はスモールオフィスを借りて起業される方が多いと聞いている。スタートアップする人たちが、区の支援を受けながら会社の業績を拡大できるようになれば、大規模な開発でなくても既存の不動産需要が高まる。

 ――空き家問題ではどのような施策を。

 一戸建てで土地が高く売れるにもかかわらず、空き家が多い。相続人が海外にいるなどの障壁があって放置されている。そこを行政がどう優良なストックに変えていけるような施策を打ち出せるかだ。

 シェアハウスや高齢者のグループホームなど、ニーズは多いが、マッチング機能がない。まずは目指す方向性を区が示して、マッチングには経済団体など民間事業者も一緒にやっていく仕組みを作ることが必要だ。

他自治体との連携

 ――全国的にインバウンド需要が高まっています。

 中央線の価値を高めることで、浅草など有名な観光地がある東部に対抗していく。そのために他の自治体とある程度連携していく。杉並区とはアニメで提携(中野区・杉並区アニメ・サブカル地域ブランディング事業)をしており、19年度は豊島区も含め3区で事業を実施する。

 価値を高めないと、インバウンドは羽田・成田空港を降りて東側の観光地に取られてしまって、西側に来ない。歌舞伎町で止まってしまって、ゴールデン街より西は行かないということがある。そこはやはり西側で連携していかないと。

外国人に選ばれる区、木密対策

 日本の社会のためにも、外国人と共生する仕組みを作っていかないと活力を維持できない。都市部は特にそうなる。外国人からも選んでもらえる区にしていくことが大事だ。オフィスワーカー、中野四季の都市(まち)の3大学の留学生、中野ブロードウェイに来る観光客と、働く・住む・遊ぶの3つの視点で外国人施策を描いていく。

 ――木造密集地域対策は。

 一番危険な地域の総合危険度5の大和町は、今東京都が拡幅事業を進めてくれている。縦に数百メートルの延焼遮断帯ができるので、かなり安全性が高まる。だが、まだまだ他にも危険な地域があり、私の住んでいる地域も総合危険度5で、自分が一番危機感を持っている(一同笑い)。

成熟した都市へ

 大学や企業の本社が来て昼間人口が増えて、昼間人口が商店街など街の活力に直結するということを住民が感じている。また、子育て世帯が根付くことで将来の地域の担い手となる。夜間人口と昼間人口をバランスよく増やし、成熟した都市を目指していく。

 駅前の再開発ビルには、家賃が高くてチェーン店しか入居できないが、駅周辺に昔からある個店も中野らしい魅力であり、守っていきたい。チェーン店は雇用の場にもなるし、個店に興味がある人もない人も両方いて、すみ分けがあっていい。

 少しずつだが、中野に住んでよかったと思われるよう頑張りたい。

   (市川佳之、池中隆)

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