新・不動産業ビジョン2030 主軸は不動産の「最適活用」 議論を集約、業界の方向性示す
住宅新報 2019年4月2日 号 2面

不動産部会の会合の様子
同部会の目的は、不動産業界全体の指針として新たな「不動産業ビジョン」を策定すること。今回了承された「取りまとめ」はこれまでの議論の方向性を反映し、名称は「新・不動産業ビジョン2030(仮称)~新元号(○○)時代の『不動産最適活用』に向けて~」とされた。今後の不動産業には「時代や地域のニーズを的確に把握し、それに対応した不動産を形成して社会で最適に活用されること」(本文より)が期待されるという趣旨を示した。
会合での発表時には公表日の関係で新元号部分を空欄としながらも、野村正史土地・建設産業局長は「平成から新たな時代に切り替わるこのタイミングに、不動産業の総括的な議論ができたことは有意義。将来の日本への思いが込められた『ビジョン』になったのでは」と述べ、言葉に新たな時代への期待を込めた。
本文は、不動産業における「現状」「市場環境変化」「今後のビジョン」の3章構成。「現状」では、過去に策定した「ビジョン」との大きな違いとして、特に投資・運用の部分を拡充・刷新。またサブリース契約に関するトラブルの多発を受けた管理業適正化の必要性など、社会情勢を踏まえた内容を盛り込んだ。
「市場環境変化」でも社会情勢の動向を反映しており、空き家・空き地の増加や政府が提唱する「働き方改革」などに言及している。
課題や施策を網羅
こうした前提を基にまとめた「今後のビジョン」では、不動産業界の発展と共に、国全体の持続的な成長を支えることも目指している。
個別の内容を見ると、まず官民共通の目標として「ストック型社会の実現」「安全安心な不動産取引」「地方創生」といったテーマが並ぶ。
更に「民の役割」については、国民から信頼される産業となることを筆頭に挙げ、法令遵守を前提に、業務の透明化や従業員の資質向上などを求める。更に「従来の画一的な手法に従った開発、流通、管理といった古典的なビジネススタイルでは不動産業の将来像は明るくない」と指摘し、多様化するニーズに応えられる〝トータルサービス〟を重視。併せて「官の役割」も明示し、市場環境整備と柔軟な政策、業界への指導・監督に取り組むこととした。
加えて、重点的に検討すべき政策課題も列挙。「市場変化」で挙げられた課題を中心に、解決の道筋を示した。本文では、不動産を〝たたむ〟ためのアプローチや心理的瑕疵への対応、賃貸住宅管理業の法制化、売買契約書や重要事項説明書の標準化、不動産総合データベースの構築、不動産取引の電子化など具体的な論点に触れており、同省が進めている施策の集大成的な内容となっている。
同「取りまとめ」は、今回の会合で委員から指摘された部分を反映した上で、4月中旬に正式な「不動産業ビジョン」として公表される見込み。


























