杭を残さず (下) 後世に遺しかねない根深さ 基礎杭の残置と埋め戻し問題
住宅新報 2019年2月19日 号 1面

全長を抱え込み、引き抜く(PG工法)
泣きながら話す地主から、1本の電話が入った。「水があふれ出ているのに、お構いなしに埋め戻している。大丈夫なのでしょうか」――。他の業者が現在進行形で手掛ける現場について、ある杭抜き業者が受けた相談だ。ほかにも、孔が陥没した、隣家の地盤にクラックが入ったなど、杭抜き工事に伴い、土地利用
で何らかの障害を発生させるのが〝既存杭問題〟だ。
基礎杭の「残置」は、折れた先端部などをそのまま地中に放置し、または、初めから杭自体を抜かないことでも発生する。そこには、「埋め戻してしまえば、地中だからすぐには発覚しない」という意識が働いている可能性がある。奇麗に抜ける場合は多いものの、技術的にどうしても抜けない場合もある。特別な施工基準やガイドラインもなく、杭を「抜いた」との確証は、現場の判断となり、倫理観が問われる。その判断は果たして、誰がするのか。






















