居酒屋の詩 (37) 君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をも知る人ぞ知る
住宅新報 2019年2月12日 号 15面
連載: 居酒屋の詩

東京・四ツ谷の「しんみち通り」は学生もいればサラリーマンも行き交う庶民の街。ただその中で、やや異色の焼き鳥店がある。「今井屋本店」である。そのコンセプトは「親しい友人や家族や恋人たちと一緒に食事ができることは人生においての最大の幸福のひとつである。四ツ谷今井屋本店すべてのキャストが心をこめて…」
焼き鳥一本400円以上と値は張るが、その味も店員の気働きも申し分なし。確かに一人で入るにはもったいない店だ。平日でもテーブル席はほぼ満席。さすがに学生の姿はないが、どの客も満ち足りた楽しい時間を過ごしているようだ。そのとき、私の記憶が遙か昔の学生時代に飛んだ。憧れていた女性を飲みに誘う店を必死で探していた頃の懐かしい自分である。






















