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スタンダード会員限定一般財団法人日本不動産研究所(37) 地域資源を生かす ~まちづくりからインバウンドまで 長崎 旧外国人居留地 老朽化進む洋風建築 観光都市の財産に活路を

総合
  • 洋館が多く集まる東山手

    1 / 3洋館が多く集まる東山手

 1858年(安政5年)の安政五カ国条約により、日本は鎖国時代に終わりを告げ、長崎では外国人のための貿易及び居住地域(以下「居留地」)の開発が行われ、街の国際化が一気に進んだ。

 いくつか開発された居留地の中でも南山手居留地は安政条約直後に造成が行われ、大浦海岸沿いから鍋冠山中腹に及ぶ丘陵地約17ヘクタールにおいて約35区画が分譲されている。我が国初の造成団地事業と言えるであろう。なお分譲区画のうち海岸沿いは商業施設用地として高価格で、山手は住宅地として低価格でそれぞれ分譲され、160年経過した現在でも海岸沿いの地域の方が山手の地域よりも地価が高いという関係性が続いている。

 居留地には各国領事館、銀行、ホテル、レストラン、住宅等が次々と建設され、そのいずれもが洋風建築であったことから、さながら日本に欧米の街並みが突如出現したような状態になった。ただし、当時の日本にはレンガやコンクリートなどの資材が不足しており、洋風建築とはいえ、実際は外国人の指示・設計を仰ぎながら日本の大工が伝統工法をアレンジして作った和洋折衷の木造建築が多かったようである。それでもガラス窓やベランダ、暖炉、タイル、噴水といった洋式の快適な設備が整えられ、更に長崎港が眼下に広がる風光明媚な環境であったことから、当初は一時滞在のつもりであった外国人の中には居留地住宅での暮らしが気に入って長期滞在や、永住した者も多かった。

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