KYBグループ 不適合ダンパー、住宅など986件に 検査データ書き換え全国に出荷
住宅新報 2018年10月23日 号 2面

KYBグループ不適合ダンパー件数
自動車や建設用の油圧機器メーカー大手のKYB(東京都港区、中島康輔社長)と子会社のカヤバシステムマシナリー(同、廣門茂喜社長、以下カヤバシステム社)は10月16日、両社の製造した免震・制振用オイルダンパーのうち、国土交通大臣認定の性能評価基準などに適合していない製品が出荷、取り付けられていたことを明らかにした。
免震または制振オイルダンパーは、いずれも適度な硬さを備えることで地震時に収縮してエネルギーを吸収し、建物の揺れを抑える働きを持つ装置。該当の不適合製品(不明含む)は00年3月から18年9月までに製造されたもので、合計986件の共同住宅、事務所、病院、庁舎などの建築物に設置されていた。不適合の内容は、オイルダンパーの減衰力性能について、基準値からのかい離値が大臣認定などの許容範囲よりも大きかったというもの。設置された施設等は、地域・用途とも広範囲にわたる(表参照)。
従業員の指摘で発覚
両社の説明によると、製品が性能検査工程で基準値から外れていた場合、通常は製品を分解して基準値に入るまで調整する。しかし今回明らかになったケースでは、検査データの値を認定の許容値に書き換え、検査記録として提出した上で出荷していたという。カヤバシステム社の従業員による指摘を受けて実施した社内調査で発覚した。
国交省は両社に対し、所有者などへの説明や構造安全性の確認、交換の迅速な実施、相談窓口の設置などを指示。
これに対し両社は、既にKYBに相談窓口を設置しているほか、不適合な製品については疑いのあるものを含めたすべてを、大臣認定の内容に適合する製品に交換するなどの対策方針を決めている。また今回不適合が発覚したもの以外の製品やサービスについても、既に調査に取り掛かっているとした。
なお、両社と同省によると、不適合品の中でも特に基準値からのかい離の大きな製品を使用した物件を選定し、第三者機関による安全性検証(構造計算)を行ったところ、震度6強から7程度の地震に対しても「十分耐えうる結果を確認」(両社)したという。


























