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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 (39) 宅地建物取引士(2) コンプラ強く求められ

住宅新報 2018年10月16日 号 3面

連載: ADRの現場から

総合
水野健講師

水野健講師

 「宅地建物取引主任者」が「宅地建物取引士」になり3年が過ぎました。おおよそ、社会一般にもこの呼称変更が浸透し、「士」としての存在が認知されていますが、変更当時「なぜ、主任者は士となったのか」ということについて、その理由を明確に把握されている方は、多くないのではないでしょうか。

 従来より宅地建物取引主任者のみが行える業務としては「重要事項の説明」「重要事項説明書への記名・押印」「契約書への記名・押印」というものがあり、これらに関しては呼称変更による内容変更はありません。しかし、宅地建物取引士には努力義務として、(1)宅地建物取引士の業務処理の原則、(2)信用失墜行為の禁止、(3)知識および能力の維持・向上の3点が課せられることになりました。

課される3点

 (1)「宅地建物取引士の業務処理の原則」については、公正な立場から業務に誠実に従事することで、トラブルを防止するとともに、建築会社、瑕疵保険会社、金融機関等の宅地建物取引業に関連する業務を行う者と連携を図り、宅地建物の円滑な取引が実現するよう努めなければならないことが規定されています(宅建業法15条)。

 (2)「信用失墜行為の禁止」について、宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用または品位を害するような行為を行ってはならないものとされています(宅建業法15条の2)。宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、専門的知識をもって重要事項の説明等を行う責任があり、その業務は、取引する相手だけではなく、社会からも信頼されているのです。

 (3)「知識および能力の維持・向上」に関しては、宅地建物取引士は、宅地建物取引の専門家として、常に最新の法律を把握し、これに合わせて実務能力を磨くとともに、知識を更新するよう努めなければならないとされています(宅建業法15条の3)。

 つまり、「士」となったことによって「コンプライアンス」が強く求められるようになったのです。そして、それに対する宅地建物取引士の具体的な取り組みの一つに、「ADRへの取り組み」があります。

信頼向上につながる

 ADRという話し合いによる紛争解決手法を学び、調停人としてこれを実施することは「トラブルを起こさない、正しい取り組み」を学ぶことです。消費者トラブルを解決することは、社会的な信頼向上にもつながります。

 宅地建物取引士がADRに取り組む方法として、まずLEC東京リーガルマインドで実施される「不動産相談員研修(宅地建物取引士合格者向け)」の修了があります。これによって、日本不動産仲裁機構が取り扱うADRを実施する調停人としての基礎資格要件を満たすことができます。

 この研修自体は無料で、WEB受講が可能(受講資格=宅地建物取引士試験合格者/現宅地建物取引士登録者含む)であり、消費者系の法令も学ぶことができるので、気軽に、一度受講されてみてはいかがでしょうか。

 ●法務大臣認証ADR機関 一般社団法人日本不動産仲裁機構、電話03(3524)8013 ※調停が体験できる「ロールプレイ研修」を定期的に実施しています(次回=11月9日)。詳しくは同機構HPをご覧ください。

 ●「不動産相談員研修(宅地建物取引士試験合格者向け)」実施団体 株式会社東京リーガルマインド、電話0570(064)464

 

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