地籍調査の加速化図る 国交省 国土審議会 国土調査検討小委員会
住宅新報 2018年10月16日 号 2面
同委員会は09年に設置され、第6次国土調査事業10カ年計画の中間見直しなどを行ってきた。第8回の開催となる今回からは、20年度に開始する第7次同計画の策定を見据え、所有者不明土地問題や測量技術の進展といった社会情勢を踏まえた今後の地籍調査のあり方を議論していく。
更に、18年6月に政府の関係閣僚会議が定めた「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」では、19年2月までに地籍調査の円滑化・迅速化のための措置の方向性を示すと明記。そこで当面は「調査の迅速化」を主なテーマとして、月1回の頻度で議論を重ねていく予定だ。
実績は半分、困難化も
約4年ぶりの再開ということもあり、会合では初めに地籍調査の現状と課題を整理。国土の実態把握のため、51(昭和26)年に制定された国土調査法などに基づいて、60年以上にわたって地籍調査が行われているものの、16年度末時点の進ちょく率は全体で52%と芳しくない。
国交省によれば、都市部の地籍調査では「地価が高く所有者の権利意識も強いため、境界確認が難航」「土地が細分化され境界が複雑な上、建物が測量を阻害」といった課題が作業の長期化を招いている。また山村部でも、高齢化や過疎化の進行などで立会いによる境界調査が難しくなっているという事情がある。
「国民への情報発信を」
こうした現状を踏まえて同委員会では、立会い手続きの合理化や測量への新技術導入をはじめ、地域区分の課題に対応した調査の効率化に向けて議論を行う。加えて、地籍調査を実施済みの地域では災害復旧にその情報が有効活用されたことから、災害想定地域など調査区域の重点化を図ると共に、不明地発生予防のため地籍調査情報の利活用も検討していく計画だ。
委員からは「今後は航空機などからの画像やレーザーによる測量も想定されるが、調査地域の特性に応じた使い方が重要」(布施孝志委員、東京大学大学院教授)、「調査促進には自治体の意見をしっかり聞くことが大事。また国民への情報発信も、より真剣に行うべき」(吉原祥子委員、東京財団政策研究所研究員)などの意見が挙がっていた。
今後は19年2月に検討内容を整理して方向性を示し、7月に全体の議論を集約。それを基に、19年度末から20年度初頭に第7次10カ年計画を策定する予定となっている。




























