一般財団法人日本不動産研究所(22) 地域資源を生かす ~まちづくりからインバウンドまで 宇都宮市大谷石文化が息づく 神秘的な地下採掘場跡地利用 60万人超の観光客集める
住宅新報 2018年10月9日 号 12面
大谷石は宇都宮市北西部の大谷町付近で採掘される石材である。柔らかく加工がしやすく、かつては石塀や石蔵の材料として、現在では住宅・店舗や公共施設等の内外装の建材として利用され、宇都宮市民の日常に深く溶け込み、大谷石のある街並みは市民にとっては当たり前の光景となっている。全国的にも大谷石は有名で、古くは旧帝国ホテルなど多くの歴史的建造物の建材として使用された。
大谷地区とその周辺エリアは、近年、宇都宮の観光拠点として脚光を浴びている。石の里「大谷」には、大谷石地下採掘場跡地を見学できる大谷資料館や大谷公園の平和観音、大谷寺洞穴遺跡等が点在し、また、周辺エリアには道の駅うつのみや「ろまんちっく村」や古賀志山を背景とする宇都宮市森林公園が存する等、豊富な地域資源に恵まれた地域振興にとって魅力あるエリアとなっている。
採石業の発展と並び、大谷地区では昭和30年代頃から観光業も盛んになったが、昭和50年代に入り、安価な外国産の建材の台頭や、建築に関する法改正の影響等により、徐々に大谷石の需要は減少。昭和40年代の最盛期には、採掘事業場は約120カ所、年間出荷量も約89万トンまで増加したが、その後は年々減少し、09年度には、採掘事業場は12カ所、年間出荷量も約2万トンにまで減少した。89年の大谷石地下採掘場跡地の陥没の影響等もあり、81年には年間120万人が訪れた大谷地区の観光客数は、06年には約12万人まで落ち込み、観光業も徐々に衰退した。























