若年層の住宅取得支援を考える(2) FRK「50m2未満の居住満足度調査」から 効果的政策は 経済的ハードル下げる
住宅新報 2018年10月9日 号 5面

持ち家に居住する者の初回の住宅購入のタイミング
ライフスタイルが多様化する中で、若年層は結婚や出産・育児といったライフイベントについてどのように考えているのだろうか。
結婚・出産希望が大
今回、不動産流通経営協会が実施した調査によると、若年層(25~35歳、n=8054)のうち、「結婚を経験済みまたは経験したい」と答えた者が90.0%、「出産・育児を経験済みまたは経験したい」と答えた者が83.5%に達しており、若年層の大半がこうしたライフイベントを望んでいることが確認できた。
また、住宅購入と結婚・出産・育児に関する意識についての質問では、若年層の38.5%が「持ち家なら安心して結婚できると思う」と回答、42.0%が「持ち家なら安心して子供を作れると思う」と回答している。若年層の約4割が、家を所有していれば安心して結婚・出産等のライフイベントを迎えることができると考えているのである。
次に、今後住宅購入の意向がある若年層がどのタイミングで購入したいと考えているか尋ねてみると(複数回答可)以下の結果となった。
第1位が「結婚と同時かその前後(42.7%)」、第2位が「1人目の子どもが生まれるとき(34.8%)」、第3位が「頭金が払える程度に資金を持つとき(32.9%)」、第4位が「頭金やローンなどで、住宅購入費用を支払える目途が立つとき(30.6%)」、第5位が「長子の幼稚園・保育園の入園から小学校に入学するまで(26.2%)」となっている。
結婚・出産などのライフイベントを住宅取得の契機と捉えると共に、資金調達にも注意を払っていることがうかがわれる。
実際の購入者は
それでは、実際には、どのタイミングで初めて住宅を購入したのか。グラフは、若年層、中年層(36~49歳)全体のうち住宅取得を経験した者(n=1万687)による回答の結果である。
これによれば、全体の約4分の1が、「結婚と同時かその前後」に住宅を取得している。注目すべきは、これから住宅を取得しようとする若年層では第4位に位置付けられていた「頭金やローンなどで、住宅購入費用を支払える目途が立ったとき」が、僅差ながら第2位に浮上することである。
重大なライフイベントを迎えて住宅購入意欲が高まった者が、購入のための資金的なハードルをクリアできる目途が立ったタイミングで、住宅取得に踏み切るケースが少なからず存在すると考えられる。そうだとすれば、税制上の措置を通じて経済的なハードルを下げるという政策は、若年層による結婚・育児等を下支えすることで、少子化対策という面でも一定の効果があると言えるのではないだろうか。
(桑田俊一=不動産流通経営協会専務理事)
くわた・しゅんいち=不動産流通経営協会(FRK)専務理事。80年建設省(現国土交通省)に入省し、93年住宅局住宅政策課長補佐。その後、04年国土交通省総合政策局不動産業課長、08年住宅局総務課長、09年総合政策局総務課長を歴任。10年厚生労働省大臣官房審議官、15年国交省国土交通大学校校長を経て16年から現職。






















