地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 (63) 海外からロケ地の舞台を目指して(4) 佐賀 満足度向上でタイ人客を誘致
住宅新報 2018年9月18日 号 3面

佐賀城本丸歴史館にも外国人観光客が訪れるようになった
佐賀は人気急上昇
ここ最近の佐賀県は、映画やドラマをきっかけに、タイからの観光客が急速に増えている。
佐賀県の外国人宿泊客数は12年以前には4万人前後で推移していたところ、14年には約9万人と前年比164%増で伸び率全国3位、更に15年は約19万人と同210%増で伸び率全国4位だった。そのうちタイ人宿泊観光客数は、13年が370人、14年1540人(同416%増)、15年4680人(同300%増)で、全体の伸び率以上の増加となっている。これだけの集客に成功した要因は、誘致した映画やドラマの相次ぐヒットが挙がる。14年タイ映画の興行収入ランキング5位となった「TimeLine」は、佐賀県を舞台にしており、また、15年にドラマ「STAY」も同県を舞台としてヒットした。
現地へのPRの成功
前回、長崎のプロモーション戦略について言及したが、佐賀県でもタイミングを捉えて、14年以降、タイ現地で観光セミナーや知事をトップとして、県内旅館関係者も多く参加した〝ナイトカフェ(一般消費者向けのパーティー・イベント)〟を行ったり、タイ旅行博への出展をした。メディアや旅行代理店のファムトリップ(視察旅行)を実施し、人気旅行雑誌などメディアの単独取材も相次いだ。映画やドラマが旬なネタとして、これらの取り組みが功を奏し、タイにおける佐賀県の認知度が格段にアップしたのだ。
アプリでサポート
佐賀県では、更に新しい施策を打ち出した。ロケ地巡りは一過性のもので終わってしまう。受け入れ環境を整備して、訪日客の満足度を高めようと。具体的には、14年から佐賀県では、タイ語、英語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)での観光アプリサービス「DOGAN SHITA TO」(どがんしたと、佐賀の言葉で「どうしたの」という意味)を配信している。15年1月~10月のユーザー数の内訳は、タイ語が繁体字と韓国語と並んでそれぞれ4分の1を占めている。来県数の割合から計算すると、タイ人に突出して人気だということが分かる。このアプリでは、「STAY」や「TimeLine」のロケ地巡りサービスも行っている。
同時にこのアプリでは、旅行者も事業者も無料(通話料は負担)の24時間対応のコールセンターもある。タイ人旅行者の満足度向上によって、佐賀県への誘客を押し上げたのだろう。






















