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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 (34) シックハウス診断士(2) 自社の意識だけでは防ぎきれない

住宅新報 2018年9月11日 号 3面

連載: ADRの現場から

総合
神田紀男代表

神田紀男代表

 住居内での室内空気汚染に由来する様々な健康障害を総称して「シックハウス症候群」と呼びます。シックハウス症候群というと、新築やリフォームをしたときだけの問題で住宅を建てるときに使用される建材からの化学物質だけが原因と思われがちですが、建材以外にもカーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や、日常生活用品、ダニやカビなど様々な原因によって引き起こされます。つまり、新築や建て替え、リフォーム後にインテリアなども配置してお客様に納品をする場合、建材や塗料だけに注意するだけではお客様がシックハウス症候群を発症してしまう可能性があるのです。

 アレルギーの諸症状を持っていたAさんは、住宅販売会社B社より「シックハウス症候群の主な原因とされるホルムアルデヒドの発生を抑えるために、環境物質対策基準を満たした建材などを採用している」という新築戸建て住宅を購入しました。しかし、入居後すぐに、頭痛、鼻水、目の痛みなどの症状を発症してしまったのです。トラブル相談を受けたシックハウス診断士が調査をしたところ、確かに建材や塗料は基準をクリアしたものが使用されていました。そこで、新築物件に備え付けられた家具を調査したところ、こちらから揮発している化学物質が原因であることが分かりました。

 というのも、B社はインテリアコーディネーターと組んでAさんに新しい住まいを提案しており、納品時にはセレクトされた家具なども備え付けられていたのです。B社は普段から提供する住まいの安全性には気を配っており、注意深く建材選びなどをしていました。しかし、インテリアを選んだコーディネーターにシックハウス対策の認識が甘かったのです。Aさんとは話し合いによってこのトラブルを解決することに合意し、結果としてシックハウスの原因となった机と椅子の再購入費用と室内空気測定費用をB社が負担することで着地をしました。そして、B社は「シックハウス対策については自社だけが気を付けておけばよいものではない」という認識を、反省を込めて持つことになったのです。

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