技術革新が変える不動産の姿 不動産政策フォーラム開く 国交省、適取機構
住宅新報 2018年7月24日 号 2面

6人の有識者によるパネルディスカッションの様子
国土交通省と不動産適正取引推進機構はこのほど、「不動産政策フォーラム2018」を都内のすまい・るホールで開催した。
第1部では基調講演が行われ、はじめに東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授が登壇。「これからの不動産業を考える」と題した講演で、「IoT技術によるデータ獲得ビジネスが急成長しており、その分野で不動産業は大きな優位性を持つ」と説いた。
続いて、日本大学スポーツ科学部の清水千弘教授は、「不動産市場の未来」をテーマに語った。働き方の変化や技術革新といった要素が不動産市場にもたらす影響を、多角的なデータから検証。更に人口動態の影響について、「就職氷河期世代の多くは住宅の取得力やニーズがないが、その下の世代にはどちらもある。もう少し我慢すれば、住宅ニーズは高まるだろう」と予測を述べた。
三井不動産日比谷街づくり推進部の山下和則部長は、「東京ミッドタウン日比谷」開発の経緯やエリアマネジメントの取り組みなどを紹介。同社の街づくりの考え方と具体的なアプローチ事例を示し、「よい街をつくるのは当然で、その先も更によくなっていくサステナブルな街を目指す」とした。
創造性支える不動産を
第2部としてパネルディスカッションが開かれ、日本大学経済学部の中川雅之教授、東大大学院工学系研究科の浅見泰司教授、LIFULLの井上高志社長、ナウキャストの赤井厚雄会長、同省の青木由行建設流通政策審議官、同機構の姫野和弘総括研究理事の6人が意見を交わした。
今後の不動産のあり方について、中川教授は「技術革新により、今後重要になるのは人とその創造性。人の生き方を支え、生産性を高める不動産のあり方を考えていかねば」と提言。浅見教授は「住宅かつオフィス、といった不動産の複数機能化が進み、場所や時間の制約からの解放につながるだろう」と予想する。井上社長は「技術の進歩で、住まいという不動産が移動可能な〝可動産〟となる可能性もある」との考えを示した。
不動産政策の方向性については、赤井会長が「不動産政策は規制の塊という面もあるが、だからこそデータに基づく政策決定の徹底を」と発言。青木審議官は「国交省不動産業課が予算ゼロでフリーアドレス形式を導入して実感したが、今の技術でできる生産性向上はもっとあると思う」と政策立案の心構えを話した。


























