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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A 住宅瑕疵担保履行制度、来年で10年 実績から見える課題は

住宅新報 2018年7月17日 号 12面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合

 父親 最近、地震に豪雨と大きな災害が続いているな。お前が最近建てたマイホームは大丈夫なのか? 地震や大雨ですぐに住めなくなっては困るぞ。

 息子 その辺はしっかりした工務店に頼んだつもりだよ。「カシタンポ保険」にもちゃんと入っているから、心配ないと言われたな。

 父親 「住宅瑕疵担保責任保険」のことか。その発音だと、名称の字も意味も理解していないだろう。

 息子 面目ない。

 父親 まあ業者でもないと、なかなか馴染みのない言葉かもしれんがな。その保険を義務化したのが「住宅瑕疵担保履行法」で、住まい手にとっては大事な制度なんだぞ。

 息子 さすがベテラン不動産屋。それで、それはいったいどういうものなのさ?

 父親 うむ。ひと言で言えば、住宅の品質を確実に保証して購入者を守る制度だな。瑕疵、つまり見えない部分の不具合が発覚した時に、販売した業者などが倒産して責任を取れない場合でも、10年間は保険で補修費用などを受け取れることだ。この保険、または法務局への供託は、原則として建設業者や宅建業者など売主の義務となっている。

 息子 へえ、ありがたいね。

 父親 いい機会だからもう少し詳しく説明しようか。この法律は来年で施行から10年になるんだが、それを前に先日国土交通省で「制度施行10年経過を見据えた住宅瑕疵担保履行制度のあり方に関する検討会」が開かれた。施行後の実績の把握と現行制度の検証、消費者保護の充実化を目指して議論していくそうだ。

 息子 実績って、例えば?

 父親 さっきも少し触れたが、瑕疵担保責任を履行するための「資力確保」の手段としては、国が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人の提供する保険への加入と、法務局への保証金の供託という2種類がある。まずその内訳だ。

 息子 保険と供託の違いって?

 父親 保険は10年分の保険料を一括で前払いする形で、掛け捨ての代わりにそう大きな金額じゃない。供託は保証金を国が預かる形だが、1戸目なら2000万円と金額が大きい。ただし、戸数が増えるほど一戸当たりの金額が減るので、大量供給する業者ほどメリットが大きい。

 息子 なるほど。実際にはどちらが多いの?

 父親 これがなかなか興味深い。法施行から17年9月末時点までに資力確保措置が講じられた新築住宅は累計674万戸あるのだが、そのうち供託が324万戸、保険が350万戸と大体半々というところだ。ところが事業者ベースで見ると、実に99%の事業者が保険を選んでいるんだな。残りは供託のみが0.7%、保険と供託の併用が0.3%だ。つまり、1%の事業者で戸数的には半数の新築住宅を供給しているのだ。

 息子 すごいな住宅業界!

 父親 ちなみに、年間供給戸数が500戸以下の事業者は大半が保険を選択。逆に、1000戸以上の場合は供託が約66%だ。供託は累計戸数が多くなるほど1戸当たりの負担が減るわけだから、当然と言えば当然だな。

 息子 なるほど。

 父親 検討会では、ほかにも様々なデータが示されていたぞ。例えば、新築だけでなく既存住宅売買瑕疵保険というものもあるが、その申込件数が上昇傾向にある。17年度は1万3864件で、既存住宅流通戸数に対する割合は8.2%と前年比1.8ポイント増えた。最近は国も既存住宅流通の活性化を推進しているし、そういう社会情勢を反映していると言えるのかもしれん。

 息子 確かに、住宅のトレンドは時代で大きく変わるよね。じゃあ今後、その制度はどう変わっていくのかな。

 父親 検討会で挙げられた議論のテーマは、まずその既存住宅流通やリフォーム市場と住宅瑕疵保険のあり方だな。それに消費者保護の充実化のため、制度が設けている紛争処理制度の周知・活用推進策なども検討する。ほかにも保険料水準の見直しについて、認可の判断基準なども、今後継続的に開催する検討会で議論していくそうだ。

 息子 色々と考えているんだね。まあ、正直もう住宅瑕疵担保保険のお世話になることはない気がするけれども。

 父親 わしのために新しい家を建ててくれてもいいぞ?

 息子 父さんの遺産が入ったら新築を考えてもいいよ。

 父親 ん? それはつまり墓のことか……。

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