明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第242回 2軒の住宅と駐車場 建物、外構の工夫で開放感 小池怜 不動産学部2年
住宅新報 2018年7月10日 号 4面
【学生の目】
千葉県柏市は人口42万人で千葉県第5位の都市。1973年に日本初のペデストリアンデッキを造ったことで知られる。駅前デッキともいわれる駅前のペデストリアンデッキはその後全国で造られたから、柏は元祖駅前デッキの街である。
柏駅の東口を出て高層のビルやマンション、多くの店舗が立ち並ぶ商業地を抜けて進むと、住宅街に入った。和風の戸建て住宅やマンション、賃貸アパートが軒を連ねる中、ひときわ目を引く建物を見つけた。それは白を基調とした地中海風のデザインで、戸建て住宅というよりもタウンハウスのようなリズムのある外観が印象的だ(写真)。建物の前の駐車場は開放感があり、周りの建物と比べると高級感がある。
高級と感じる理由は駐車場の床仕上げにもある。一面のアスファルト舗装にすることも多い中、次の工夫がある。まず、主な仕上げ材のコンクリートに広めの目地を縦横に入れて変化をつけている。次に、目地に玉砂利をいれて柔らかさを出している。さらに、入口部分と歩行部分には柔らかい色と形の石を敷いて高級感を出している。また、石の部分が曲線になっていて中に引き入れられるようだ。そして、アンティークな街灯でアクセントをつけている。
はじめは空き地に2台の車が駐車しているように思えた。しかしよく見ると、駐車場の奥にある同じ造りの2軒の住宅とつながっている。駐車場部分は二つに分かれているものの、塀や草木などの囲いや境界を示すものがなく一つに見えている。
道路境界線に迫って建設される住宅が多い中、このような開放感のある空間があることに歩行者も安らぎを感じる。空が広く見えるだけでなく、車の駐車や発進を遠くから確認することができて、必要以上の緊張感を覚えずにすむ。広いとはいえない2つの路地状部分を相互理解のもとで一体的な広がりのある空間にすることに魅力に感じた。
一方、駐車場と建物の間には区切りがある。低めのフェンスとこんもりとした葉をもつ木がカーテンのように適度な連続感を保つ一方、建物の中が直接見えることや、日光が入ることがないよう、適度に遮断している。駐車場と建物の間の程よい区切りもポイントだ。
建物の形だけでなく、外構の仕上げに工夫がある。さらに、所有と利用の区分に二重の工夫があることが目に留まった理由である。
【教員のコメント】
日本では公的空間の道路と私的空間の住宅が直結する一方、米国等では芝生のある半公的空間の歩道と、半私的空間の住宅の前庭が介在し、2つの中間領域が快適性を高める。宅地需要がピークを過ぎた日本で半私的空間が充実する可能性がある。
























