ニュースが分かる! Q&A 〝足元〟からのまちづくり 「地方」「連携」進むか
住宅新報 2018年6月12日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

まちづくり博では自転車活用による街づくりのあり方、可能性を考えた
先輩記者A 街を歩けば、シェアサイクルや駐輪ポートを見かける機会が増えたな。
後輩記者B 自転車は、バスや鉄道など既存の交通機関では対応できないエリアで利用できますからね。シェアリングサービスであれば、複数の駐輪場で乗り捨てできる上、ウェブや携帯電話による事前登録、カードで簡単に決済も可能。首都圏や地方でも注目されていますね。
A 話題の民泊を含め、外国人観光客のインバウンドも増加している中で、気軽に借りて返せるシェアサイクルは、便利な〝旅のお供〟となりうる。公共交通機関の補完、あるいは観光戦略や地方活性化を目的に、シェアサイクルの導入を進める自治体も増えているようだ。
B 5月29、30日には東京ドームシティで「自転車まちづくり博」が開かれました。これは、最新の自転車サービスをはじめ、自転車走行空間の拡充や駐輪場の整備、シェアサイクルなど自転車活用によるまちづくりを考えるイベントです。出展企業も約90社に上り、全国の自治体やディベロッパーなども参加。2日間で3500人が来場したそうです。
A 平日開催で3500人とは盛況だな。昨年5月に施行された自転車活用推進法を受けた流れということかな。
B ええ。国土交通省道路局内に自転車活用推進本部事務局が設置されて1年。法に基づく自転車活用推進計画を作成してきて、6月の通常国会終了の前後に、8月末の予算の概算要求に間に合うように決定される見込みです。
まちづくり博の開幕式典では「17年は『シェアバイク』や電動アシストの『イーバイク元年』ともいわれたが、今後は『地域・地方』『連携』がキーワード。誰とどこの地域と組むのかが重要」(経済産業省)という来賓あいさつのほか、トークショーでは国土交通省・自転車活用推進官の奥田秀樹氏が自転車活用推進による4つの目標として、「良好な都市環境の形成」「安全安心な社会の実現」「健康長寿社会の実現」「観光立国の実現」を挙げ、具体的に18の施策を示しました。
A 日本が抱える様々な課題の解決を企図しているな。
B 奥田氏は自動車利用者の現状として短距離帯かつ1人での乗車が大半というデータを示し、自転車への代用案を指摘。今年3月にできたJR土浦駅直結の自転車ステーションや、里山のツアーガイドを展開するサイクルツーリズムなどを例に、地方への広がりを期待していました。
A 流通大手の三井不動産リアルティ(東京都千代田区)は17年度決算でも総合駐車場事業「三井のリパーク」が好調だったが、興味深いサービスはあったのかい。
B はい、同社は都市の社会インフラとして駐輪場を展開し、全国で6万台以上を運営管理しています。ブースでは、高級自転車向けのボックス型駐輪場や、時間貸しに加え月極利用の契約・更新がタッチパネル式の券売機で簡単に行える最新の駐輪ゲート機も展示されていました。
スマートフォンで手軽に利用できるサービスとしては、オーシャンブルースマート(同板橋区)が同区で1月から始めたシェアサイクルサービス「PiPPA(ピッパ)」は周辺の練馬区、北区などに範囲を広げ、5月時点で駐輪可能台数1000台、駐輪ポート数は100カ所以上と好調。また、アイキューソフィア(同新宿区)の「みんちゅうSHARE|LIN」は、自転車1台分の小スペースから時間貸し駐輪場として貸し出すことが可能。駐輪場不足による不正駐輪や放置自転車などの問題解決に一役を買うと同時に、工事待ちの用地や民家の空きスペースを活用した収益確保の面でも今後の需要が見込まれそうです。
A 都市環境の整備をはじめ、健康長寿社会や観光立国の実現など地方への道筋をつけていくには各自治体の実行力が問われる。まずは足元を鍛え、着実にペダルを漕ぎ進めていただきたいものだ。






















