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スタンダード会員限定民泊新法施行まで半月 行政、民間共に連携強める 業界健全化へ協力体制

住宅新報 2018年5月29日 号 2面

政策
民泊準備会合の様子

民泊準備会合の様子

関係省庁が連絡会議発足

 いわゆる〝ヤミ民泊〟の取り締まり徹底などを目的とした「違法民泊対策関係省庁連絡会議」がこのほど設置され、5月21日に経済産業省で初会合が開かれた。会議は国土交通省や観光庁のほか、厚生労働省、内閣官房、警察庁、消防庁、国税庁の各担当者によって構成。違法民泊取り締まりに関する情報共有を行うほか、実態把握のあり方などを検討していく方針だ。

 当日は、厚労省から各自治体の衛生主管部長に向けた「旅館業法の許可を得ないで旅館業を行っている者に対する取締りについて」と題する通知の文面も示された。同通知は、「改正旅館業法により、都道府県知事による無許可民泊営業者に対する立ち入り検査などの権限が新たに付与されたため、同権限を十分に活用して取り締まりを進めてほしい」など、警察とも連携しながら積極的に違法民泊の取り締まりを行っていくことを促した内容となっている。

 また同会合の後に開かれた会見で、観光庁観光産業課の鈴木貴典課長は「最近は(民泊新法の定める)民泊事業者の届け出に限らず、旅館業法の簡易宿所の許可申請が急増し、特区での申請も増えている。民泊に携わる事業者の適正化意識が広がっているのでは」と状況の説明と分析を述べた。

仲介業者の業界団体設立へ

 民泊関連のルールが明確化され、規制も強まっている環境を踏まえ、大手民間事業者も動きを見せた。

 5月23日には「住宅宿泊仲介業者適正化協会(仮称)設立に向けた準備会合」が国交省で開かれた。同会合には楽天LIFULL STAYの太田宗克社長や百戦錬磨の上山康博社長のほか、ホームアウェイの木村奈津子日本支社長、自在客のジャック・ツィシエ・チャンCEO、日本途家の鈴木智子代表、Airbnbジャパンの田邉泰之代表らが出席。日米中の大手民泊仲介事業者やその日本法人のトップが一堂に会した会場には数多くのメディアも訪れ、各方面からの注目度の高さをうかがわせた。

 同会合は、民泊新法の事業者や仲介業者の届け出・登録申請が始まった3月15日、百戦錬磨が観光庁に事業者団体設立に向けた協力を要請したことがきっかけで開かれたもの。要請を受けた同庁が今回参加した5社との間に立ち、準備会合へとつなげた。

 開会に先立ち、同庁の秡川直也審議官は「皆さんは仲介業者ということで、宿泊者と民泊事業者との接点であり、民泊事業の中でも最も大事な役割を果たす立場だと思っている」とあいさつ。民泊制度の健全な発展に向け、制度への理解促進と仲介業者間の連携に期待すると述べた。

 同会合では業界団体の設立に向け、基本的な検討事項について話し合われた。活動目的は「民泊事業の適正化や健全な市場の形成」などに定め、設立後に一般社団法人などの法人格を取得する方針。会員については今回の6社だけでなく、ほかの登録民泊仲介業者も構成員とすることや、民泊関連産業の事業者も賛助会員などの形で参画を促していくことで大筋合意した。

 また具体的な活動としては「違法民泊への対応」を特に重視し、広報・啓発活動や研修、政策提言などを行っていく。各社の個別事業の中でも、違法民泊を今後扱わないことはもちろん、他社サイトなどで発見した場合には情報共有して市場から排除していく方針だ。公的規制だけでなく、民間の取り組みによって民泊のイメージ向上を図り、市場の持続的な成長を目指す。

 なお海外企業は本社の承認作業などもあり、正式な参画表明はまだ先となる。団体の設立時期も未定だが、同法が施行される6月15日近辺には一定の形を示す方針を示している。

特区、簡易宿所が急増

 同会合では資料として、民泊新法に基づく届け出や登録申請の受け付け開始から約2カ月が経過した5月11日時点での状況も提示された。それによると、民泊事業者は724件(4月13日時点で232件)、民泊管理業は512件(同284件)、民泊仲介業は33件(同22件)となっている。管理業と仲介業はややペースが落ちたものの、民泊事業者の届け出は前月と比べ2倍以上の数となっている。

 しかしそれ以上に勢いがあるのは、旅館業法上の簡易宿所の許可や特区の認定件数だ。観光庁によれば、京都市における簡易宿所の営業許可施設は15年度に696件だったものが、16年度には1493件、17年度には2291件と増加。更に大阪市における特区民泊の認定施設・居室数は、17年3月の48施設95室から18年3月には604施設1683室と10倍以上の急激な伸びを見せている。

 これは、民泊新法の定める年間提供日数が上限180日であるため、通年で事業運営が可能な簡易宿所や特区民泊に事業者からのニーズが集まっていると推測される。

 とはいえ、現在営業している民泊の中には、事業を継続するか否か、また続けるとしてもどの許認可等の形態を選ぶか、あるいはいずれの許認可等も受けずに〝ヤミ民泊〟となるのか――といった「様子見」の事業者が提供するものもいまだに多い。これから民泊新法の本格始動までに、各事業者がどういった方針を選ぶのかは未知数といった状況だが、今後の民泊業界の健全な成長に向け、行政や大手事業者の連携した動きには期待が寄せられている。

 

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