ニュースが分かる! Q&A 「かぼちゃの馬車」融資問題 シェアハウスではない スルガ銀行も改ざん容認
住宅新報 2018年5月22日 号 14面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A 今日はどうした、プリプリして。
友人B ああ、これが怒らないでいられるかっつうの。どうなってるんだ、このシェアハウス融資問題は。
A ああ、シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズがオーナーに賃料支払いを停止したことから起こった問題だな。
B 一般の会社員とかが被害にあっているというじゃないか。ちょっと間違えれば、オレも被害者だったかもしれない。
A 年収1000万円を超えるようなエリート会社員も騙されたらしいけど、君はどうかなあ。
B ところで、一体どこに問題があったんだい。
A かなり多くの点で問題があったと言える。まずは、シェアハウスかぼちゃの馬車だが、部屋は7m2と狭小なのはしょうがないが、共用部分がない物件が多い。
B え? シェアハウスって共用部分で住民がくつろいだり、企画によったら英会話を勉強したりするのがウリじゃないの。それがないなんて。
A そう、そもそもシェアハウスと言えるのかというような物件だった。まずはここに問題がある。そして、そのシェアハウスのオーナーに対し、首都圏の利便性の高い所にあるから、テナントも集まるし、賃料保証も行うとして勧誘していた。オーナーへの融資先であるスルガ銀行の危機管理委員会によれば、実際の構造は、オーナーに対してシェアハウス建設用土地を販売するまでに転売をしている。
B 誰に?
A スマートデイズやその関係会社だ。それが中間の買受人になり、その利ざやを他のシェアハウスの空室による保証賃料の逆ざやに補てんしていたらしい。まさに自転車操業だと報告書にはある。顧客は結果的に相当に割高な価格で不動産を購入していたというんだ。
B 物件価格1億円と聞いていたけど、実際はもっと安かったのか。
A そう。そして、問題はまだある。融資先のスルガ銀行には、こうした融資をする際には内部基準で自己資金1割を用意できる顧客でなければならないんだ。ところが、スマートデイズは自己資金ゼロでオーナーになれますとうたった。
B ダメじゃない。貸してもらえないだろう。
A オーナーを探すのは実はスマートデイズではない。チャネル営業といって不動産業者を使っている。その業者が顧客を見つけて紹介するシステムだ。そして、その業者は自己資金があると見せかけるため、顧客の銀行残高証明書を改ざんした。
B おいおい、やりたい放題だな。
A インターネットバンキングを利用している顧客には、ウェブ上の画面を印刷したもので確認したとスルガ銀行は言っているが、ずいぶんとお粗末な対応だ。そして、更に本来融資できる金額より多額の融資を受けるため、実際の売買契約書とは別に、売買代金額を水増しした「銀行提出用」の売買契約書が作られていた、いわゆる二重契約の事例も多くある。
B ……。
A 例えば、売買価格8500万円、自己資金ゼロが本来なのに、売買価格1億円、自己資金1500万円として銀行に提出する。証明資料は改ざんするか、業者が見せ金として一時的に振り込み、後で返してもらっていた。スルガ銀行では大体8割から9割は融資していたようだから、例えば、1億円のうち8500万円融資する。そうすると自己資金ゼロで8500万円手に入り、シェアハウスが建てられるという寸法だ。
B かなりヤバイ。
A そう。先程言ったように、シェアハウスの体をなしていない物件といい、これをシェアハウスと呼んだら、真面目に運営しているシェアハウス業者さんに申し訳ない「事件」だと言っていい。あくまでも、スマートデイズ、介在した不動産業者、そしてスルガ銀行が行った極めて稀な例だと考えるのが妥当だ。既にスマートデイズは破産開始決定を受けた。スルガ銀行も改ざんを認めており、今後破産管財人、あるいは司直の手で明らかになっていくだろう。しかし…。
B 何だい?
A こうした改ざんや自己資金のごまかしについて顧客が知っていないわけがない。オーナー自身も被害者であるが自業自得の面もある。そして、これまでこの問題をあまり取り上げて来なかった本紙として、今後の行方をしっかり追って記事にしていきたいと思っています。






















