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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 (19) 競売不動産取扱主任者(2) 滞納金トラブルを解決

住宅新報 2018年5月22日 号 3面

連載: ADRの現場から

総合
青山一広代表理事

青山一広代表理事

 競売物件の購入は、一般の不動産取引に比べてリスクが大きいもの。なぜならば、不動産競売は民事執行法、一般の不動産取引は宅地建物取引業法と適用される法律が異なることもあり、買主の保護が十分にはなされていないからである。

 例えば、競売で取得した物件に人が住んでいた場合の立ち退き交渉や鍵を新しく作り替えるといったことも、すべて買受人(買主)が行わなくてはならないのだ。そしてこのようなことを知らずに競売を利用してしまうと、トラブルになってしまうこともある。

 トラブルの種類として多いのは立ち退き交渉に関するものであるが、「管理費滞納」に関わるものも多く報告されている。これは、分譲マンションなどの区分所有建物を落札した際、管理費や修繕積立金などの滞納金が残ってしまっているというものだ。

 不動産競売においては、原則として物件の所有権を継承する人がその滞納管理費などの債務を引き継ぐことになっており、各種滞納金は買受人(落札者)が負担することとなる。物件に関する滞納金などは、競売物件出品の際に公告される「物件明細書」にその情報が記載されているが、ここに記載されている金額は調査時点のものであるため、それ以降増えている場合がほとんどである。そのため、一般の方は滞納金のことを考慮せずに入札し、落札後その存在と額に驚くといったことも多い。滞納金が2、3カ月程度の額であればさほど問題はないのだが、10年以上滞納しているような場合はどうしようもなくなってしまう。

 競売不動産取扱主任者に滞納金に関するトラブル相談が寄せられた場合、まずは「全額支払う必要がない場合がある」ことを説明する。というのも、未払金に関して時効が成立している場合もあるし、滞納金の支払先である管理会社などとの減額交渉がうまくいく可能性もあるからだ。とにかく、滞納金のトラブルがあった際は、綿密な調査と関係者との話し合いが必要である。そしてその際は、競売不動産に関する専門知識が求められてくる。

 競売不動産取扱主任者は、価格の安さなど、メリットもある競売不動産を一般の方にも安全に取得してもらうため、今後もその専門性を生かして活動していく。競売不動産取扱主任者が話し合いでトラブルを解決するADRに取り組むことが可能となった今後は、今まで以上に競売に関わるトラブル解決事例も増えてくるだろう。

 ●法務大臣認証ADR機関 一般社団法人日本不動産仲裁機構 電話03(3524)8013

 ●「競売不動産取扱主任者」資格実施団体 一般社団法人不動産競売流通協会 電話03(5776)0981

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