カフェやスナックなどでよく目にするのが曲げた木をフレームに使った軽量な椅子です。椅子などを製作する際に、木材を曲げる技法を「曲げ木」と言います。曲げ木の椅子として歴史上最も有名なのはトーネット社のNo.14やNo.18と呼ばれる椅子です。曲げ木の技法そのものは古くからありましたが、近代工業製品としての生産技術を確立したのが、フランクフルト西方の小さな町、ボッパルト生まれのミヒャエル・トーネット(1796~1871)です。
直接曲げる
例えば、グランドピアノの胴体に見られるような優美な曲線は、薄板を型に入れて重ね合わせ、ニカワで接着したものですが、体重を支える椅子にはニカワの強度が足りず、応用できませんでした。そこで、トーネットはロクロで挽いたブナ材の丸棒を直接曲げる方法を考案します。丸棒を高温で蒸して柔らかくなったところで、金属製の型枠(治具)に入れて冷やし、曲線状の丸棒を生産する技法を確立しました。この丸棒を組み合わせて生産されたのが曲げ木の椅子「ボッパルトチェア」(1836)です。























