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スタンダード会員限定生産緑地法改定 〝22年問題〟を考える(下) 定期借地権推進協議会運営委員長大木祐悟 道路付けなど事前の計画重要 生産緑地を〝富動産〟に

住宅新報 2018年4月24日 号 5面

総合
  • 大木祐悟・定期借地権推進協議会運営委員長

    1 / 2大木祐悟・定期借地権推進協議会運営委員長

  • 生産緑地の活用例

    2 / 2生産緑地の活用例

20%以下を活用

 前回は、地価の高い優良立地にあるまとまった規模の生産緑地が一斉に宅地化する可能性は低いという話をしましたが、一方で生産緑地の一部についてであれば活用を検討する動きが出てくる可能性はあります。

 すなわち、生産緑地のうち20%以下の範囲であれば、22年に市区町村に対して買取り請求をしたのちに結果的に生産緑地にかかる制約が外れたとしても、その土地にかかる納税猶予だけが解消されるにとどまる仕組みとなっているためです(20%を超えてしまうと、全体の納税猶予が適用されなくなるのでご留意ください)。

 そこで、今回はこの仕組みを利用した土地活用について考えてみましょう。

 生産緑地がまとまった広さの場合には、活用の検討の際に売却や活用する部分の道路の入れ方を工夫すれば、次の代に生産緑地を相続する際に宅地化する農地と生産緑地として相続する農地の区分を行いやすくできる可能性があります。

 相続が発生してから相続税の納付期限は10カ月後であるため、この間に土地を開発して道路を入れることは困難ですが、予め宅地化する部分に作る道路を生産緑地に接するように作っておけばよいわけです。

 例えば、下図のような形で開発すると道路に接した部分の生産緑地は、次の相続発生後に宅地化を選択することも容易となります。生産緑地の活用に際してはこうした点も踏まえて提案をすると顧客からも喜んでもらえる可能性が高いでしょう。

定期借地権を活用

 なお、地価が高くない地区の生産緑地の場合は相続税の心配も少ないため、宅地化が進む可能性も考えられますが、逆にこのような立地では、宅地化後の土地活用手法の検討が非常に重要となります。

 すなわち、優良立地の場合であれば売却はもとより賃貸住宅経営も成り立つと思いますが、そうでない場合はどうすべきでしょうか。

 仮に分譲住宅が成り立つ地区であれば、期間満了で土地が地主に返還される定期借地権活用も視野に入れるべきでしょう。そのほか、都市農地の貸借の円滑化に関する法律が成立した場合には、生産緑地を市民農園として貸すことも可能となるため、生産緑地の一部を賃貸住宅や定期借地権分譲に供し、市民農園を利用できることとしてユーザーを募集すれば、大きなメリットになる可能性もあります。

 最近は、不動産を「負動産」と表現する人が増えていますが、生産緑地も適切に計画をすれば「富動産」にすることが可能だと思います。生産緑地の仕組みを理解したうえで、土地所有者も満足するとともに、周辺の環境にも寄与するような適切な提案をするように心がけたいものです。         (おわり)

 おおき・ゆうご=定期借地権推進協議会運営委員長。83年早大商学部卒。同年旭化成工業入社。現在は旭化成不動産レジデンスマンション建替え研究所主任研究員。NPO都市住宅とまちづくり研究会理事ほか。日本不動産学会会員、都市住宅学会会員。賃貸住宅経営、借地借家問題、定期借地権活用、空き家問題、生産緑地問題等を中心とした不動産有効活用と、マンション管理、マンション再生問題、被災マンションの復興問題等についての講演や論説多数。

 

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