柔軟な働き方を模索 不動産流通会社など 大手、中小とも働き手目線で
住宅新報 2018年4月17日 号 1面
大京G、再雇用を積極化 「ジョブ・リターン制度」
大京グループは人事制度について、『在職中』だけでなく、再雇用や独立支援といった『退職後』の制度も充実させ始めた。環境整備を進めることで従業員が自分の能力を最大限に発揮でき、より働きやすい企業を目指している。
先月には、再雇用希望者を積極的に受け入れるため、「ジョブ・リターン制度」を導入した。これは、結婚や出産、育児、介護、配偶者の転勤を理由に一度は退職した従業員でも、一定の条件と面接をクリアすれば復職できる仕組み。一定の条件とは「3年以上在籍しており、かつ離職期間が10年以内」「定年年齢まで5年以上の期間があること」など。
また昨年には、グループ会社で流通事業を手掛ける大京穴吹不動産が、独立サポートを開始した。家庭の事情などで退職したグループ社員が、自ら仲介店舗を開設する際に、業務提携契約を結ぶことで「大京穴吹不動産パートナーズ」の屋号を使用できるように制度化。更に人材派遣も行う。同社としては、実力ある社員の開業をサポートすることは、未出店エリアでの即戦力確保につながる。
東急リバは女性活躍推進 制度、意識、働き方で改革
今年3月、厚生労働大臣から「えるぼし」(今週のことば)最高位認定を受けた東急リバブルは、業界に先駆けて女性活躍の職場づくりを推進してきた。現在の中島美博会長が社長に就任した12年、「女性活躍推進はイノベーションであり経営課題だ」と開始した施策「ポジティブ・アクション」が出発点だ。
施策は3段階で進行してきた。女性活躍推進に重点を置く部署を立ち上げ、第1段階は「育児と両立するための環境整備」。時短勤務期間の延長や産休・育休・復帰後の面談に関するフローづくり、休日出勤への対応として、たまプラーザの事業所内にキッズルームを設置したほか、休日保育費用の半額を会社負担とするなど制度の整備を進めた。
13年以降、「意識改革」と「女性社員のキャリアアップ」に向けた第2段階へ。女性社員と管理職を対象にした女性活躍推進の研修のほか、メンター制度によって売買仲介の新入社員、管理職候補の女性総合職それぞれに対して業務上の相談やネットワークづくりをサポート。更に15年からは「キャリアパスプログラム」を開始し、育休復帰後の働き方も支える。売り上げ達成目標を「従来通り」「8割達成」の2つから選択。「『8割』を目標としても、達成すれば人事考課上の昇給昇格の対象となる。賞与額は10割達成より減るものの、育児をしながらキャリア形成ができる」と同社人材開発部ダイバーシティ課係長の渡邉健一郎氏。この3年間で約20人が同プログラムを使い、多くが8割達成を選択しているという。
現在は「働き方へのアプローチ」をテーマにした第3段階。時差出勤やテレワークのほか、17年には異業種大手約20社が参加するプロジェクト「エイジョ(営業女子)カレッジ」に加わり、入社10年で急激に減る女性営業職の課題を考えた。労働時間削減と顧客満足度向上を達成する実証実験を行い、同社でも今後の事業計画で具体化を目指す。
昨年11月、日米の不動産流通業の未来を考えるカンファレンスでは榊真二社長が登壇。流通業の女性活躍の現状を分析し、「売買仲介の営業職ではコンサル力が問われる時代。生活者視点で、きめ細かい心配りができる女性の強みが発揮しやすい」と語った。 同社では13年以降、女性総合職の採用を増やしているが、女性管理職の割合や採用人数が目的ではないという。「営業職を志して入社した社員が営業職として長く活躍し、キャリア形成できる環境をつくることが重要」(渡邉氏)。今後も制度や施策を見直し、ブラッシュアップしていく考えだ。
地所リアルが本社移転 「働き方」の改革進める
三菱地所リアルエステートサービスは5月7日、本社を東京都千代田区の「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」に移転する。部門間の壁を取り払う『REAL BREAKTHROUGH』をコンセプトに、働く「場所」「時間」「人」の3つの改革で生産性の向上、ワークライフバランスの実現を目指す。1フロアに集約し、ペーパーストックレスやオフィス機器の最適な配置により、スペースコストを削減するほか、3つのラウンジの設置やフリーアドレス制も導入する。
〝井戸端〟でシェア 目黒区支部レディース会
東京都宅建協会目黒区支部のレディース会(東福信子会長)は5年前に発足。同支部に所属する女性会員や従業員など約20人が在籍。研修事業や本部レディス部会への協力、地域活動に積極的だ。
研修会の中では美容体操やダンスなど、楽しめる工夫が満載。昨年7月には美容皮膚科の院長を招き、『仕事ができる女性・男性の魅せ方』と題した研修会を開催。「売り込む自分からお客様に選ばれる自分への転換。営業職における印象の重要性は何か。参加者26人のうち11人は男性で手応えを感じた」と東福会長。
ユニークな発想は個々にも広がる。同会の亀甲智惠子副会長は地元で月1回のランチ会を開き、物件情報を持ち寄りながら客付け先を探すなど取引につなげている。東福会長も昨年、自社の勤務体制をフレキシブルにし、人脈づくりや勉強のための時間を社員に促した結果、社員の働き方にメリハリが生まれ、36期目で最高益を更新した。東福会長は「女性の強みは口コミ力と行動力。いい情報は周囲に広げ、三方よしとすることがリスク分散。地元の中小企業は情報を公開し、売り側、買い側でシェアすることで、大手にはないコミュニケーション力を発揮できる」と話す。
























