16年度に独立行政法人国民生活センターまで寄せられた賃貸アパート・マンションに関するトラブル相談件数は3万2681件であり、全体の相談件数の第5位となっています。その中でも特に多いのが敷金並びに原状回復のトラブル。件数は1万3897件となり賃貸住宅に関するトラブル全体の42%を占めます。
「退去時に敷金が返還されない」「設備が自然損耗により壊れたのに修繕費用を請求された」というようなトラブルは一体なぜ多く発生してしまうのか。それは「敷金の存在は多くの人が知っているが、その位置付けや返還に関するルールが明確には理解されていない」ということに起因するでしょう。
敷金に関する取り決めについては、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を定めており、ここには基本的な指針が示されています。しかし、ガイドラインに「入居者が普通に暮らしていた場合の劣化は大家の負担」とされていたとしても、それぞれのライフスタイルによって変わってくる「普通の暮らし(部屋の通常の使用)」を杓子定規に定義することは難しいといえます。価値観の違いが、そのままトラブルに発展してしまいがちなのです。だからこそ、これまで多くの敷金・原状回復トラブルの解決を手助けしてきた敷金診断士は、「話し合いによる解決」という手法を大切にしてきました。当事者の知識不足や「こうあるべきだ」というような思い込みから生じるすれ違いは、話し合いを通じて解消できることが多いのです。























