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スタンダード会員限定住宅ローンビジネスの変容(上) 融資から媒介、プラットフォームへ 金利はネット銀行水準に

住宅新報 2018年1月30日 号 1面

総合
住宅ローン金利ピラミッドとユーザー属性(MFS記者発表資料より抜粋)

住宅ローン金利ピラミッドとユーザー属性(MFS記者発表資料より抜粋)

 下の図は、住宅ローンコンサルティングサービスを手掛けるMFS(東京都新宿区、中山田明社長)の記者発表資料。ローン金利のピラミッド、それに債務者属性と対応する金融機関を示したものだ。支店などの店舗を持たないネット銀行の金利が最も低く、以下メガバンク、地銀などの順で高くなる。それに呼応するように、住宅ローンを借りる人の職業や年収があり、安定した収入や職業の場合は、低い金利で借りられ、不安定な場合には、金利が高くなることが分かる。

 ただ、今後はこの図は当てはまらなくなるという。「遅かれ早かれ、金利の低いネット銀行の水準に収斂されていくだろう」と中山田社長は見ている。「メガバンクの一つが地方の住宅ローンから撤退するという報道があったのが、昨年の11月1日。その翌日にはネット銀行の融資額が25%増えたと発表された。インターネットによるパラダイムシフトが住宅ローンにも起こっている」(同社長)。

 今後3年間に起こることとして、中山田社長は次の4つを挙げた。(1)マーケティングからクロージングまですべてネットで完結、(2)ネット系銀行の金利条件に収斂、(3)住宅ローン利ざや収益の更なる低下、(4)店舗と人を使った販売は継続できない――。ICTによる大変革がローン業界、金融機関にも起こっているのだ。

 そうした中、住宅ローン専門金融機関で業績を伸ばしている企業がある。昨年12月にいきなり東証一部に上場したARUHI(アルヒ、東京都港区、浜田宏会長兼社長)だ。全期間固定金利住宅ローンのフラット35で、7年連続シェアナンバー1(10~16年融資実行件数)、住宅ローン融資額はメガバンクの1行を抜き、5位だ(いずれも同社調べ)。

 業績好調な理由として、浜田氏は、「低金利による借り換え需要を的確に捉えたことと商品を増やしていったことだ。フラット以外の変動金利ローンも取り扱っている。固定も変動も一番低いというコンセプトが奏功した」。現在は、借り換え特需も一巡しているが、同社では新規借り入れ件数が右肩上がりとなっている。その理由について、同氏は審査スピードの速さなど、ユーザーの負担を極力減らす方針にあるとする。

 「住宅ローンの申請用紙は記入する項目が多く、ユーザーや紹介する不動産事業者にとっては負担が重い。当社ではICTの導入で、通常50分かかる記入が10分で終わる。しかもミスもない。ユーザーは喜ぶし、不動産事業者も他の仕事に振り分けられる」。

 同社の方針は中山田氏の予測と合致している部分もあるが、店舗については増やしていく方針だ。「ただ、実際の店舗というより、バーチャル技術を使ったものなどを増やす」(同氏)。窓口が多いほうがユーザーにとって安心で、審査も早いとする。

住宅ローンの媒介とは

 前出したMFSは住宅ローン金融機関ではなく、住宅ローンコンサルティングサービスを行っている。ユーザーにとって最適な住宅ローンをアレンジするもので、ユーザーの立場に立って、金融機関とユーザーの間をとりもつ媒介業者となる。同社のウリもICT技術で、住宅ローン借り換えアプリ「モゲチェック」を開発、展開している。

 昨年リリースしたのが、「モゲスコア」。銀行審査ロジックを踏まえたスコアリングサービスで、スマートフォンから同サービスのサイトに行き、年収や自己資金など10項目を入れるだけで借り入れ可能額を瞬時に判定する。

 アルヒもMFSもユーザーと不動産事業者を結ぶかけ橋となり、ユーザーのライフスタイルを応援していく企業を目指している。(つづく)

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