一般財団法人日本不動産研究所(34) 全国市街地の変遷 ――昭和の記憶から次代へ 新白河駅周辺と明暗分かれ空洞化進む 文化交流館など白河駅前に 福島県白河市・中心市街地活性化計画に成果
住宅新報 2018年1月16日 号 14面
連載: 全国市街地の変遷
郊外の大規模商業
白河市は、福島県中通り南部に位置する人口約6万2千人の都市である。毎年2月11日に行われる「白河だるま市」や9月に行われる「白河提灯まつり」など、多くの観光客が集うイベントも行われている。
また、「白河そば」のみならず、「白河ラーメン」も広域的に知られ、昨今では地元産の豚肉を使用した「しらかわしゅうまい」もブランド化するなど、食の面でも魅力的な町である。
白河市の中心市街地では、人口・世帯数ともに減少傾向にあったことに加え、高齢者の増加傾向に対して若年層の減少傾向が著しく、空洞化が生じた。その大きな原因の一つは、新白河駅周辺への人の移動であると考えられる。新白河駅周辺地域での宅地開発や郊外におけるニュータウン開発、さらには自動車による買い物に便利な大規模商業施設の立地は人の流れを大きく変えた。
そのような背景の下、白河市は「白河市中心市街地活性化基本計画(1期)」を策定した(期間09年3月~14年3月)。1期計画では11年7月に開館した白河駅前多目的複合施設が目標を上回る利用者数を達成するなど、一定の成果を上げたが、課題も残した。
その課題を踏まえ、白河市は「白河市中心市街地活性化基本計画(2期)」を策定(期間14年4月~19年3月)。2期計画では16年10月に白河文化交流館が開館、翌11月には中心市街地活性化の核となる施設「マイタウン白河」がリニューアルオープンしたことの効果などで、賑わいを取り戻しつつあることが目に見えるようになった。
一方、住宅地の地価動向をみると、バブル崩壊後の下落の程度は相対的に地価水準が高かった新白河駅周辺で大きかったものの、震災後の地価動向は新白河駅周辺では上昇傾向となったのに対して中心市街地周辺では横ばいか若干の下落と明暗が分かれる。
「市民と共楽」の観点
白河市の中心市街地活性化に関する各種事業は一定の成果を上げていると考えられ、今後の中心市街地における居住人口の増加も期待される。中心市街地とその周辺の地価も目に見える、数字に表れる形で変化の影響を反映すると考えられる。
白河市の中心市街地の活性化は「歴史・伝統・文化が息づく市民共楽の城下町」がコンセプトとされているが、目に見える活性化のために、「市民と共楽」の観点で白河市を訪れる人が増えることも大いに期待したい。
(日本不動産研究所福島支所、不動産鑑定士・松本竜二)

























