一般財団法人日本不動産研究所(33) 全国市街地の変遷 ――昭和の記憶から次代へ 茨城県水戸市・2つの再開発を起爆剤に 空洞化対策で「まちなか」活性化ビジョン 水戸駅北口に新市民会館など 〝上市〟と〝下市〟
住宅新報 2018年1月9日 号 16面
連載: 全国市街地の変遷
水戸市は人口約27万人を有する茨城県の県庁所在地で、現在の中心市街地はJR水戸駅を中心に形成されているが、江戸時代には台地の上下で分かれていた。馬の背状の台地に広がる通称〝上市〟の西側(現在の泉町、大工町、金町など)には町屋があったが、東側(現在の三の丸、南町、宮町、大町など)は武家屋敷のみで、商業地として栄えたのは通称〝下市〟(現在の本町)だった。
〝下市〟は交通の要衝で問屋街ができ、市が立って活況を呈していた。明治期になると水戸駅の開設など交通体系の再編成が行われ、〝上市〟へ商業の中心が移っていった。大正以降は国道が拡幅され路面電車が走るなど〝上市〟の市街地としての地位が確立していった。1960年代から80年代にかけて、建築物の高層化と大型小売店の進出が進み、既存の市街地に加えて駅前地区が発展し、近年では水戸駅南口の再開発事業の進展により、駅南口のにぎわいが増している。
こうした変遷の中、近年の急速なモータリゼーション化や商業集積の郊外化から、旧来の中心市街地では顧客流出による空洞化対策が喫緊の問題となっている。























