ニュースが分かる! Q&A 投資市場を支えるものは? 将来不安で資産形成 二次市場確立も必要に
住宅新報 2017年11月7日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

将来不安を背景に不動産投資ニーズは高まりを見せている(写真はイメージ)
先輩記者 最近、個人の不動産投資ニーズはどう?
後輩記者 どんどん高まっている感じです。個人向けに投資用不動産を扱っている会社の業績を見てもかなり良いようです。例えば、投資用中古ワンルーム専門のA社も、それからアパートなどの収益物件を1棟単位で販売しているB社も業績を伸ばしています。不動産特定共同事業法(不特法)に基づく小口化商品を手掛けるC社も順調です。
先輩 投資額が億単位から数十万円のものまで商品タイプはそれぞれ違うけれど、いずれの販売も好調のようだね。その背景には何がある?
後輩 富裕層は当然としても、ごく普通のサラリーマンが投資に動き出しているのは、将来不安が大きな理由でしょう。「人生100年時代」という言葉を耳にすることが増えたように、今の日本は長寿社会です。人生が長くなるにつれて、介護や医療費、思いがけない出費があるかもしれません。一方で、年金は大丈夫だろうか、こうした将来不安に備えて、資産形成をしておきたいと考える人が増えているのだと思います。
先輩 なるほど。買い需要は多いということだね。先程の話に出てきた3社は、いずれも自社で中古物件を仕入れて、商品化した上で販売するビジネスモデルだったね。業績が良いということは、物件の売り手も多いということ?
後輩 高齢者が増えているので、相続で取得した不動産の売却をしたがっている子世帯が多い。今後は人口のボリュームゾーンである団塊世代が70代になっていくので、相続がらみで不動産を手放す人がますます増えるようです。
先輩 つまり、投資用不動産を買いたい人も、売りたい人も双方が増えているということか。日本では個人の金融資産の半分以上が預貯金だというからね。こうした動いていない資金をうまく不動産投資に向けさせることができれば、もっと投資市場は盛り上がりそうだ。他には?
後輩 投資しやすい環境整備も投資ニーズを後押ししていると思います。今増えているのは投資家とはいえ、仕事を持っているサラリーマンです。投資ばかりに時間を割くことはできません。パソコンやスマホで手軽に情報収集や手続きができることが重要なので、それを各社工夫しているところだと思います。
先輩 そういえば、今回の不特法の改正で、インターネット上での手続きに関する規定が盛り込まれたね。
後輩 12月から施行される改正法ですね。今、資金調達手法としてクラウドファンディングの活用が広がっていますから。不特法事業も契約までの手続きをネット上で完結できるようになるそうです。
先輩 そうなると投資家にとっては便利になるね。そのほかに、投資市場が拡大するためには何が必要だろう?
後輩 そうですね。普通のサラリーマン投資家が増えていることを考えると、二次市場の確立でしょうか。特に小口商品については。
先輩 タイミングを見計らって物件を売ることで売却益を得るため?
後輩 もちろんそういったニーズもあるとは思いますが、ごく普通のサラリーマンにとっては、売りたい時に売ることができる。つまり、すぐに現金化できるか否かは投資を考える上で重要なポイントです。例えば、家族が病気になって急にまとまった額の医療費が必要になったり、予想以上に子どもの教育費がかかることも考えられます。限られた資金の中から不動産に投資するケースも多いでしょうから、何かあった場合にすぐに現金化できることが重要です。株式のように。そうなれば今まで以上に、〝貯蓄よりも投資〟に動くと思います。
先輩 いずれにせよ、不動産投資で重要なことは、対象不動産の価値を高めて収益性を高めることだ。人口減少の今、物件の選び方と、その後の管理運営は大きなポイントとなる。不動産の専門家である不動産事業者の目利き、手腕への期待は高まる一方だ。






















