建築を設計するには構造的な問題や設備の最適性、法規的な規制のクリア、建物全体のイニシャルとランニングを考慮した経済性など多くの要件を考慮して最適な解を得る必要があります。中でも意匠性(デザイン)については、最も分かりやすい要素であるため、社会性やシンボル性を含めたデザインをする必要があります。
日本の建築界は江戸末期・明治時代から常に西欧建築の模倣や改良を施したデザインを行ってきたため、伝統的な建築からの発想より、いかに他の建築家よりも速く海外デザイン情報を得るかということを重視してきました。
したがって、明治や大正の建築家が海外へ「遊学」や「視察」に出かけたときには「アルバム」と呼ばれる、その当時欧米で建築されたばかりの「最新建築写真集」を持ち帰るのが重要な任務でした。現代のネット社会でも若手建築家などはデザイン情報の収集を重視しています。今回は彼らのリソース(ネタ帳)ともいえる、デザインサイトを幾つかご紹介します。
海外旅行などに出かけるとき、まずチェックするのがMIMOAです。世界中の新しい建築や歴史のある建築をガイドするサイトで、訪問予定地をキーに、見るべき建築のリストや〝※印〟による評価、設計者、建築年代、簡単な解説、コメントなどを見ることができます。グーグルマップと連動していますのでナビ代わりとしても利用できます。
Dezeenは英国のサイトで、時系列的に新しいものから建築やインテリア、話題のデザインを幅広く見せています。リストの写真をクリックすると所在や設計者、用途などの情報に加え多くの画像が表示されます。最近よくある関連サイトの提示もされますので、同傾向のデザインを追うことも可能です。
動物も登場
Design You Trustも英国のサイトで、建築やインテリア、テクノロジー、写真などの区切りで、最も新しい動きをビジュアルに伝えるサイトです。画面は2カラム構成ですが右側はどのサイトでも同じ話題性のあるニュースがインデックス表示されるので、興味に従ってアレコレ見て歩くのに適しています。ユニークなのはアニマルというセクションで、ここでは動物とデザインの関係を面白く見せています。
Design Milkは建築関係者以外にも広くデザイナーが見ている米国のサイトで、新聞各紙、雑誌からグーグルやツイッターまで、デザイン情報を広範に収集しています。得意分野は建築や住宅だけでなくインテリア小物やグラフィックス、ファッション、映像までに及び、広い範囲でのデザイントレンドをザックリつかむのに適したサイトといえます。
designboomは米国発の老舗ウェブマガジンで創刊は1999年です。これも建築、工業製品、アートなどを広く網羅していますが、特徴は比較的インダストリアルデザインに軸足を置いた編集で、クルマや時計、バイクなどの近未来プロダクトをチェックできます。
ほかにも隠れた名建築を掘り起こすHidden Architectureや、インダストリアルに特化したYANKO DESIGNなど多数あります。これらのサイトをフェイスブックやツイッターでフォローしておけば、いつでも最新情報に接することができます。
(建築家・中村義平二)























