ニュースが分かる! Q&A 外国語と外国人対応に必要なのは 相手への理解が最も大事
住宅新報 2017年10月17日 号 18面
連載: ニュースが分かる!Q&A
後輩社員 あ~「ケ・キエレ・ウステー」、う~んと「コマンタレ・ブー」……。
先輩社員 何々? 「あぁ。けっ帰れ。うるっせー。ううーん困ったね。デブ」だと? いきなり、何を怒っているんだ? 仮にも先輩の俺に失礼な奴だな。確かに太ってはいるが。帰(けえ)れって、おまえは江戸っ子かよ。
後輩 いやいや、怒ってなんかいませんよ。外国語の練習です。始めの言葉は、「何が欲しいですか」という意味のスペイン語、次の言葉は、フランス語で、「ご機嫌いかがですか」ですよ。先輩、リスニング力がないですね。
先輩 何だと? お前の発音が下手なんだろうが。ところで外国語の勉強とは、いったいどうした?
後輩 政府が訪日外国人の数を、3年後に現状の倍近くの4000万人にすると言っています。外国人観光客が増えますが、我々の不動産業界も影響がありますからね。民泊やシェアハウスは今後一層普及しますし、在留外国人も増えて、その部屋探しを手伝う場面が増加しますよ。
先輩 3年後か。にわかに外国語を勉強しても、身に付けるのは難しいぞ。俺は中学生の時から英語の勉強が苦手だったからな。
後輩 僕も苦手でした。第一、賃貸仲介の全店舗のスタッフすべてが英語をマスターするのは現実的でないですよね。更に、中国語や韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語などの多言語対応となると、もう不可能です。でも、ある大手賃貸仲介会社は、一部で実施していた直営店舗に加え、フランチャイズ店舗のすべてで多言語対応を導入すると発表しました。
先輩 すべての店舗スタッフをマルチリンガル(多言語使用者)に育成するのか? すごい計画だな。
後輩 いえいえ。多言語コールセンター会社と協力するそうです。タブレット端末やスマートフォン、パソコンの画面による対面、内見時には専用電話で受け答え、電話での問い合わせにはお客さんと店舗スタッフが通訳者の協力を得て、3者間で対話できるそうです。
先輩 それなら、改めて店舗スタッフが外国語を勉強する必要はないな。以前に大手IT企業が社内公用語を英語にすると発表して、びっくりしたが。自社でそんな宣言されたら困るからな。
後輩 また、外国語の対応が何とかなっても、そもそも外国人を集客できなければ、意味がありませんよね。そこで、大手土地活用会社(以下、土地活用会社)の賃貸物件ネット紹介部門が最近、外国人向け不動産情報ポータルサイト運営会社(以下、サイト運営会社)と提携しています。
先輩 どういう内容だ。
後輩 これまでもそのサイト運営会社は、日本国内の不動産会社に対して、外国人の入居者や投資家の集客を支援してきたそうです。提携によって今後は、その土地活用会社の管理物件の情報も配信され、外国人の部屋探しの選択肢の幅が広がるということです。サイト運営会社は、アンケート調査などに基づくインバウンド需要を取り込むためのプランを土地活用会社に提供もするので、外国人に一層訴求する事業の展開に期待できるようです。
先輩 自社内の人材だけで外国語、外国人に対応するには限界があるから、専門会社のサービスを利用するのは、中小の不動産会社でも対応できる良い方法だな。
後輩 少し話は変わりますが、一般的に外国人は権利意識が強く、「LGBT」の対応も考える必要があります。
先輩 いったい、「LGBT」とは何だ。
後輩 性的少数者の属性の頭文字をつなげた全体総称の一つですが、より広げて「LGBTTQQIAAP」と呼ぶこともあります。
先輩 テレビで反差別の行進を見たが、難しそうな話だよな。部屋探しでもトラブルや不都合があるとか。
後輩 そのため最近になって、大手不動産情報サイトでは、「LGBTを理由に入居を断らない物件」を検索条件に追加しました。LGBTに限らず、外国人とは文化的な違いでトラブルが発生しがちです。ゴミ捨てだとか。相手に関する自分の無知は先入観となって、トラブルを余計に感情的にします。外国語も文化も性的指向も、自分とは「異なる」ことを素直に受け止める気持ちが大切ですよね。言葉で通じる前に、相手と心で通じることがもっと大事だと思うんです…。
先輩 いいこと言うなぁ……(外国語を勉強したくないだけだな)。






















