純粋に工学を追究する―。自由な校風によって、斬新な教育方法や研究内容に企業からも注目度が高い金沢工業大学。その学窓で、「企業などとの情報交換や、インターンシップなどを通じ、学生たちに技術の実践の機会を提供したい」と日々、産学連携での企業の橋渡し役を務める。
その務めには、大学の授業や研究室の実験だけでは得られない〝何か〟を学生たちに感じてもらうことが、明日の技術の創造につながるという思いがある。
同大学では、海外でスタンダードなCDIO教育を取り入れている。工学教育を改革する取り組みで、4つのキーワードの英語の頭文字からそう呼ぶ。日本語では「考える」「設計する」「実行する」「運用する」となり、前の2つは教育で行えるが、残りは学究の場だけでは体験が難しい。そこで企業との連携が重要となってくる。
直近では、不動産テックを中心に事業展開するギガプライズ(東京都渋谷区)が8月に東京・虎ノ門で開設した「Giga Brain Site(GBS)」への参画がある。IoTなどの先端技術や、新しいサービスを持つ優れた企業、研究機関などと革新的なサービスを共創する拠点で、「色々なコラボレーションが考えられるが、その具体的内容はこれから。しかし、その芽吹きは見えてきた」。
端緒となりそうなのが、同大学が同じ石川県内で18年4月に新設する「白山麓キャンパス」だ。国際高等専門学校や産学・地域の連携拠点「イノベーション・ハブ(教育研究・研修棟)」が併設され、「大学と企業が一緒の学び舎でつながり、より一層、高度な研究ができる。その研究分野でギガプライズとの連携を深めたい」と期待を込めている。
グロバールに活躍するイノベーターを育成するのが同大学の役割。教室の机上にとどまらない学習空間や環境の提供が自身の役目であり、その空間から「日本で初めての取り組みが生まれてくる」と信じている。 (坂元浩二)























