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プレミアム会員限定明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第199回 建築と設備の増設 街全体への影響を考えて 櫻庭修子 不動産学部4年

総合
  • 櫻庭修子

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  • 街を歩いていて増築された住宅をよく見ると・・・

    2 / 2街を歩いていて増築された住宅をよく見ると・・・

 【学生の目】

 不動産の不思議の記事を書くようになって3年目になり、どんな場所を訪れても不動産に興味を持つようになった。不動産学部の学生にとって住宅街を歩くことは、不動産学部で学んだ知識をフル活用しながら新たな学びを得る青空教室だ。多くの不動産と出会うことで、普段の学習意欲も高まり良いサイクルが生まれる。今回も街で気になる住宅を発見した。学生の視点で2つ気になることがある。

 1つ目は、増築の適否だ。よく観察すると、敷地いっぱいに建築物が建っており、車庫の部分は増築したものと思える。デザインと材料が異なる、階高が異なることが理由だ。元々の階段の踊り場から増築部分の二階に入るようになっていると推測される。駐車場は天井高が低くても特に支障がないことが、中二階のような増築につながったのだろう。デザイン性はともかく、建ぺい率や容積率など、増築時の順法性が気になるところだ(渡辺継一郎「不動産の不思議第45回」14年8月5日号)。

 2つ目は、室外機の適否だ。屋根や庇に置かれた2つの室外機のうち、屋根の上に置かれた方が気になる。まず、特段の安全対策が見当たらず、震災等の場合にとても危険だ。隣地に落ちてトラブルになる、道路に落ちて通行人が怪我をする恐れがある。次に景観が気になる。屋根に置いたのは苦肉の策と考えられるが、いかにも不自然だ。増築する建築物に気を取られ、付随する設備のことは念頭になかったかもしれない。としても、住宅街の景観と調和しないものは歓迎できない。関係した専門家が、素人では認識できない全体像を説明し、指導したと思えない点も残念だ。

 気になった室外機の景観について調べると、京都府で景観対策が行われていることがわかった。鴨川沿いの飲食店等が室外機の目隠しや塗装等の景観対策を行う場合に一定金額を補助する制度だ。対象は鴨川右岸の二条大橋~五条大橋の区間で、目的は京都の観光資源の1つである鴨川の景観保全につなげることだ。普段の生活では気になることがない部分に対しても取り組みを行うなどの積み重ねによって、日本の象徴の1つである美しい京都の景観が保たれている。

 個人が行う一つひとつの行動で景観も変わり、街全体の資産価値に影響を与える。しっかりと常識とモラルを持ち、広く長い目で考えるべきだ。

 【教員のコメント】

 子供が成長すると必要な住宅規模は極大化し、独立後は縮小する。日本では必要規模に応じて住み替える習慣がなく無届の増築の背景となるが、期間を限定して形態制限を弾力運用し、利益に対して一定額を公共や近隣に支払う方法が考えられる。

 

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