地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 (9) シリーズ「外国人宿、ゲストハウス出現のインパクト」(1) 普通の商店街こそ外国人が好む~品川
住宅新報 2017年8月22日 号 3面

外国人観光客に人気のゲストハウス。普通の街並みが魅力
商店街を楽しむ外国人客
品川駅から、京浜急行で一つ目の駅、北品川に外国人に人気のゲストハウスがある。羽田空港からのアクセスが良く、駅にも近い。更に周辺の商店街の存在も、宿の魅力を引き上げている。
ところが実際にこの商店街に足を運んでみると、正直、普通のどこにでもある商店街だった。遠くから足を運ぶ必然性はないと言う「ゲストハウス品川宿」の渡邊崇志代表。しかし、泊まってもらった人々には、この普通の街並みを体験してもらいたいと話す。
普通の商店街だから魅力がある。外国人観光客にとっては、日本の日常そのものがエキゾチックだからだ。
いかに地域外から商店街に人を呼び込めるかが、街にとっては今後のカギとなると渡邊氏。この界隈の魅力は生活の色が強いこと、良い意味で観光地らしくないところが魅力になっている。
宿場町の誇り受け継ぐ
品川宿では、外国人のニーズを拾い、街の仲間と情報共有している。毎月の最終の火曜日がまちづくり協議会の定例日になっていて、稼働状況やどんな国から来ているのかなども報告する。
このような取り組みが実現できたのは、品川が宿場町としてのDNAがあるからと同協議会の堀江新三会長。江戸時代から続く老舗の社長だ。「品川は江戸ではない、宿場町だ」という心意気があり、外から入ってくる新しい人・物を受け入れる寛容さを持つ。渡邊氏は品川出身ではないため、旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会の応援がなければ、現在はなかったと言い切る。
渡邊氏は、開業前にまず地域に根差すことを心掛けた。例えば、お祭りの手伝いをするなどして、地域の人々に顔を覚えてもらえるようにした。そんな折、保健所からの紹介で、商店街にあるビジネス旅館が廃業するという情報が入ったおかげで、開業に至った。まちづくり協議会のメンバーも、保証人にもなってくれた。
三方みな良しを実現
ゲストハウス品川宿が目指すのは、「地域」と「宿」、「外国人旅行者」の3点を結ぶことだ。土地に根差して、宿として外国人にサービスをしていく。そして、またその宿のある街を様々な人に紹介していく。宿と地域の相互補完の関係が将来の可能性を感じさせる。






















