地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 (8) シリーズ「古民家は外国人に魅力的な建物」(4) 古民家再生の銀行融資が佐原で
住宅新報 2017年8月15日 号 3面

佐原は水郷として江戸時代に栄えていた
消費額アップの切札
千葉県の佐原(香取市)は、江戸時代のたたずまいが残り、近年は東京など都心からの日帰り観光地としても有名だ。成功はしているものの、実は課題も多い。古民家では、空き家が増え、建物を維持していくのは簡単ではない。更に観光売り上げとしては伸び悩んでいた。
そこで、古民家を宿にリノベーションして、地域を活性化しようという取り組みがスタート。宿ができることで、地域へのインパクトは大きい。旅行者の消費が増し、客単価を上げる。更に時間にゆとりができ、近隣の周遊も可能になる。
このように良いことづくめのようだが、スタートアップが難しい。それは、資金調達で止まってしまうからだ。補助金頼りだけでは、限界がある。
地銀ファンドが設立
その新しい解決策として、地元の金融機関が動いた。地域活性化支援機構の仲立ちによって、15年、地元の銀行である京葉銀行、佐原信用金庫とでお金を出し、観光促進のためのファンドが立ち上がった。地方創生ということで、金融庁は地銀に対して地元の企業への貸出を進めている。
17年2月の香取市を含め協定締結によって、ファンドから(株)NIPPONIA SAWAR不動産および(株)NIPPONIA SAWARAへの投資実行がなされた。(株)NIPPONIA SAWARA不動産は、このプロジェクトのために設立され、歴史的建造物である古民家や遊休不動産を取得、リノベーションすることで地域の町並み整備機能を担う。そして、(株)NIPPONIA SAWARAが宿泊の運営をする。
現在進んでいる第1次プロジェクトでは、4つの古民家が宿泊施設になる。一つは中村屋商店だ。1棟でまるまる貸切宿となり、収容人数は、母屋が2~4人で、ファミリーでの利用を想定している
事業性に焦点
ところで千葉県内では、他に全国初の試みとして、千葉銀行が古民家を使った事業に特化した融資制度を導入した。更に千葉県信用保証協会は古民家専門の保証制度を取り入れたのだ。
「ちばぎん古民家事業支援融資制度」の取り扱いなど、不動産担保などに依存せず、事業の成長性を踏まえて融資する仕組みとなっている。古民家を生かしたビジネスに弾みがつきそうだ。






















