国交省 不動産鑑定評価制度 動産、農地評価で基準改正へ 個人も依頼しやすい仕組み整備
住宅新報 2017年8月15日 号 3面
国土交通省はこのほど、「不動産鑑定評価制度の今後の方向性」(当面の方策に関する提言)をとりまとめ、発表した。昨年秋から開かれている不動産鑑定評価制度懇談会の意見をまとめたもの。国土審議会土地政策分科会企画部会が昨年、提言した「土地政策の新たな方向性2016」を踏まえて、同懇談会では不動産鑑定評価制度を充実するための課題や施策等について、有識者が議論を重ねてきた。
とりまとめでは、取り組むべき施策として、(1)多様なニーズに応えるための幅広いサービスの提供、(2)ユーザー目線で利用しやすい制度、体制の構築、(3)不動産鑑定士の人材育成の充実――の3つを示した。
このうち、多様なニーズに応えるための幅広いサービスの提供については、動産や農地に関する取り扱いへの対応が挙げられた。ホテルやヘルスケア施設、工場、太陽光発電所といった用途に付帯する設備、什器・備品など、不動産と一体となって収益を生み出す動産について、法令上の取り扱いの明確化や評価方法の統一化に向けた不動産鑑定評価基準の改正が必要とされた。またこれまで不動産鑑定評価の対象外とされてきた農地についても、その見直しや評価方法の統一化に向けた不動産鑑定評価基準等の改正を行い、ユーザーから高い信頼を得られる評価の仕組みを整備する必要があるとされた。
また、既存住宅の流通促進に関連して鑑定評価を組み入れた金融商品の開発などが行われていることから、個人などの新たなニーズへの対応として、より効率的な評価を通じた個人からも依頼しやすい仕組みを整備することが求められるとした。このほか、地域の課題への対応や災害時の緊急支援、コンサルティング業務の強化が盛られた。
ユーザー目線で利用しやすい制度、体制の構築については、情報提供の充実、鑑定評価の改善、コンプライアンス体制の強化などを挙げた。
論文試験、科目免除も
不動産鑑定士の人材育成の充実では、不動産鑑定士試験における新たな免除制度の導入として、論文式試験で不合格であった場合でも、試験科目のうち、土地鑑定委員会が相当と認める成績を得た試験科目については、受験免除するなどの制度の導入を挙げた。また、不動産鑑定士の研修受講義務の導入、不動産鑑定業者の責務の明文化などが盛られた。
こうした施策を実際に具体化するに当たって留意すべき事項として、個別の課題ごとに行政の役割と団体などの役割について、更に検討を重ね、行政、団体、有識者との間で十分な連携を図っていく必要があるとまとめている。


























