「媒介費用負担の適正化が急務」 自民住宅土地調査会・金子一義会長に聞く
住宅新報 2017年8月8日 号 2面

金子一義会長
――8つの提言からなる中間とりまとめとなった。重点ポイントは?
「都市部、農村部を問わず全国規模で空き家、空き地が日々発生し、社会的問題として深刻化している。自民党では、14年に議員立法による「空き家対策の推進に関する特別措置法」を制定し、対策に着手した。これに伴って市区町村の空き家対策計画策定は300を超え、特定空き家等に対する助言、指導も6000件を超えるなど「除却」については一定の進展がみられている。一方で、相続を契機に発生した空き家の中には、再生したくてもできない、活用されにくいものが数多く存在しており、これらの対応は喫緊の課題となっている」
――高齢化に伴って、相続で発生する空き家の急増が引き続き見込まれる。
「そうした空き家対策としては、所有者と利活用を希望する宅建業者等とのマッチングを推進することが不可欠だ。その受け皿として、空き家抑制のための官民連携のプラットフォームの構築を早期に実現するべきだ。所有者の同意を得た上で、固定資産課税台帳の空き家所有者情報を有効に活用し、所有者に利活用等を積極的に働きかけていく。自治体を介して地域の宅建業者がそれらの受け皿となり、利活用を促進するという、空き家の発生段階で抑制していくことにも主眼を置いた」
インセンティブも必要
――都市部と地方部では、空き家の発生要因や利活用に温度差がある。
「空き家対策にはこれといった決め手はないが、活用されるべきものの活用を促進していくことが、提言の基本だ。不動産業団体と市区町村が協定を結び、官民協働で対策に取り組む地域もあり、空き家等の成約数が飛躍的に増加する効果も出始めている。物件価格が都市部に比べて低い地方部では特に、空き家の利活用を促す宅建業者に対するインセンティブも必要だ。流通コスト全体のあり方に留意しなければならないが、宅建業者の空き家等の媒介の費用に係る負担の適正化を、図っていく必要がある」
――住宅セーフティネット法の改正も空き家の利活用を促すことになる。
「住宅セーフティネット法では、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅登録制度がスタートし、若年世代や子育て世帯等の入居の円滑化が促される。また消費者が『住みたい・買いたいと思える』良質な住宅の流通を促進する国土交通省の『安心R住宅』制度や、複数の大手ハウスメーカーによる中古住宅流通制度『スムストック』が市場にますます広まることで、空き家の利活用にとって大きな追い風となる」
古民家再生も加速
――空き家対策が地域再生を促す事例も見られる。
「古民家再生は、空き家の利活用と同時に地域そのものの再生にもつながる可能性を秘めている。私自身、昨年、古民家再生議員連盟の会長に就任し、旗振り役を務めているが、地元の観光協会と一丸となって自治体でも古民家再生の勢いが出始めている。古い造り酒屋をレストランやカフェに再生するなどの具体的な取り組みが、地方創生の流れの中で活発化している。数量としては限定的だが、古民家再生も空き家対策の一環として加速させたい」


























