一般財団法人日本不動産研究所(11) 全国市街地の変遷 ――昭和の記憶から次代へ 兵庫県尼崎市 工業都市から環境モデル都市へ 明治期以降続いた工場跡地を再開発 コンパクト化の先進例へ
住宅新報 2017年7月25日 号 12面
連載: 全国市街地の変遷
尼崎市は兵庫県南東部に位置し、神戸・大阪方面へのアクセスが抜群である。市の東西が河川、南は大阪湾に面する立地により、明治時代の紡績工場稼働以降、旭硝子、関西ペイント、日本リーバ・ブラザーズ(現日油)などのほか、化学・機械金属系を中心に多くの工場が建設された。昭和初期には軍需産業の需要から、臨海部を中心に重化学工業地帯が形成された。
戦後は石炭・鉄鋼などの基礎産業部門で「鉄のまち」として復活。高度経済成長期に機械製造業が拡大したが、昭和後期になると、円高やバブル経済の崩壊などで製造業が衰退し、工場閉鎖により遊休地が増加した。05年、関西電力尼崎発電所跡地などにパナソニックのプラズマディスプレイの製造工場3棟が建設されたが、14年までにすべての工場が閉鎖された。
この頃から国内では物流アウトソースの進展、インターネット通販市場拡大によって、物流施設需要が増加。関西全域にアクセスが容易な臨海部でグローバル・ロジスティック・プロパティーズ、プロロジスなどにより大型物流施設が建設されるようになった。パナソニック工場跡地では日本最大、アジア全域でも最大級のマルチテナント型物流施設として19年12月に竣工する予定だ。























