所有者不明土地問題研の中間整理 不明土地の面積は九州並み 増田寛也座長「報告まとめ政府に提言」
住宅新報 2017年7月4日 号 2面

増田寛也座長
元岩手県知事の増田寛也東京大学公共政策大学院客員教授を座長とする所有者不明土地問題研究会は6月26日に、研究に関する中間整理を行った。全国での土地の所有者不明率について約20%に上り、九州の土地面積とほぼ等しいと発表した。
これについて増田座長は「非常に多いと驚いている。面積で示さなければ、国民には伝わらない。政府も次期通常国会での法案提出を目指している。政府は確実なものを選択していくであろうが、我々は出口を見据えた検討に捉われずに、具体的な方策を盛り込んだ最終報告をまとめ、政府にも提言していきたい」と語った。
16年度の地籍調査では、登記簿上の所有者が不明な土地は563市区町村の計62万2608筆(全国では2億3000万筆)で、20.1%に及んだ。これを拡大推計すると全国の所有者不明率は20.3%。土地面積では約410万ヘクタールに相当し、九州の368万ヘクタールを上回る。
今後議論を深めるべき課題としては、所有者探索の円滑化、所有者不明土地の管理・利活用、所有者不明土地の増加防止、土地所有の在り方の見直しの4つを挙げた。
所有者探索の円滑化では、各種台帳間の連携、増加防止では登記の義務化や地理空間情報の整備が、具体的な対処法として挙げられた。問題点は不動産登記簿の情報が必ずしも最新ではないこと。また探索に時間と費用がかかり、真の所有者にたどりつけない可能性もある。
具体的な支障例として、自治体からは「登記簿の表題部に所有者住所の記載がない」こと。また「所有者代表外4名」としか記載のないものもある。共有林の所有者は15人で、関係人不明や相続人不在で買収は極めて困難という。登記簿の所有者住所が満州国となっている例や、農地相続では手間を懸念し、あえて相続登記手続きを行わない事例もある。
年間で固定資産の納税通知が戻される数は約2000件で、公示送達件数は約430件。課税保留件数は約180件で、年々増加している。


























