競売不動産取扱主任者 8月1日より申込受付開始 試験日2026年12月13日(日)

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定稼げる国土(下) 地域活性化への取り組み 今後は大都市も視野に

住宅新報 2017年5月2日 号 1面

政策
美味しそうな四万十町の地栗(国交省HPより)

美味しそうな四万十町の地栗(国交省HPより)

 「稼げる国土専門委員会では、一度は東京を離れて現地調査も兼ねて、地域を訪れることを予定していた。選ばれたのは第3回委員会が開かれた四万十町だった」と国土交通省国土政策局の佐藤努広域政策企画官は語る。

 四万十町は高知県高岡郡にある。限界集落とさえ言われたこともあるこの町は、今では地域産品を資源として、年間で10億円を目指す地域へと様変わりつつある。

 地域の中心となったのは「四万十ドラマ」という地場の業者だ。地域産品を使った商品の開発や、「道の駅」での販売、通信販売などを行う。これに地元農家や加工業者、更に町や住民が加わり、域外専門家などの協力を得ながら地域が結束した。道の駅とは、商品販売や食堂などの食提供の拠点となる場所だ。ここで開発・販売の仕組みが醸成される。

地栗や農業ツアーで勝負

 大粒で密度の高い地栗は、産地として実は衰退しつつあった。「これをブランド化し、加工品も開発した。更に手摘みのお茶や無農薬野菜など、地域の「当たり前」を強みへと改良しつつある」(佐藤企画官)という。こうした新商品を携え、四万十町は再活性化を目指す。

 「農業体験ツアーの先駆者といってもよい」(佐藤企画官)のが長野県の飯田市における試みだ。南信州全体で160に及ぶエコツアーのプログラムを創出し、年間で5万人程度の中高生を受け入れている。ツアーの内容は、実際に農家に宿泊しながら農作業を手伝い、また地域に伝わる田舎料理を作って味わい、農家の生活を実体験することも含んだものが多い。そのほかにも、同市周辺の自然景観や農産品などを生かし、実際の体験も取り入れた様々な体験型プログラムを生みだしている。

 発端は01年1月の南信州観光公社の設立だ。体験型観光による旅の創造を提供し、運営する組織として、長野県南部の下伊那15市町村と民間企業や団体が共通の目的のもと参画した。南信州は長野県の最南端に位置し、東に南アルプス、西には中央アルプスがそびえる。そして、南北には天竜川が中央を貫く巨大な谷となっている。

 古くから東西の文化が交差する交通の要所だ。交易の拠点として栄えた歴史を持つ。豊かな自然に囲まれている。

 飯田市は公社へ出資すると同時に、地元の農家に民泊を仕掛ける。農家と住民は旅行者を受け入れ、更にインストラクターとしても参加する形で、ツアーに協力する。また観光商品の開発にも参画する。

 現在では、アウトドアとして天竜川ラフティングや渓流釣り、乗馬。農林業体験では田植えやりんごの摘果、酪農農家体験など。更に食文化と味覚体験、伝統工芸、環境学習などを組み込み、ツアー商品の開発・販売に力を注いでいる。

経産省も後押し

 国交省が作成した「稼げる国土マニュアル」には、そのほかにも、ワインで真価を発揮する地域として山梨県甲州市の取り組みや、アートと空き家を資源とする兵庫県養父市の取り組みなど、十数件の事例を紹介している。

 経済産業省もこうした地域活性化の動きを後押ししている。これまでの企業立地促進法を改正する形で、地域未来投資促進法案が2月に閣議決定された。地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域経済をけん引する「地域経済牽引事業制度」を創設し、事業支援を行うものだ。設備投資や財政・金融面での支援や既成の特例措置を行う。

 国交省の動きも今回のアニュアル作成にとどまらない。今後は地域のみならず大都市の検討も加える。「商品企画やマーケティングなど、創造性が求められる分野では、これまで以上に人の交流の重要性が高まる。言葉や図面では表せない、いわば暗黙知の技術をも共有し、新しいものを生みだす」と佐藤企画官は語る。大都市では既に新しい知的交流の場が生まれている。三菱地所などが運営するFINOLABなどが知られる。東京の大手町周辺にあり、フィンテック(情報通信技術を駆使した金融サービス)によるイノベーションに取り組むベンチャー企業のためのシェアオフィスだ。東京以外にも大阪、名古屋、福岡にもそうした事例は見られる。

 国交省では、地方と大都市、あるいはその連携について検討を続け、18年度には論点を再整理する予定だ。なお、同マニュアルは国交省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001142124.pdf)からダウンロードできる。

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス