この仕事を続けていて、「所有権」という言葉に、ふと疑問に思ったことがあります。毎日のように口にする民法上のルールで不動産用語ですが、人間社会にこの「所有権」があることが、争いの原因にもなっているのです。幼稚園の砂場で起こる陣地の取り合いのけんかに、経済問題、国際問題などの言い訳がつき、戦争は起こっています。しかし、領土(土地)の本当の所有者は誰なのでしょう? 私たちが日頃取り扱う土地は、地表です。まさか、自分の土地を掘り下げて、真裏のブラジルに至るまで自分のモノだと思っている人はいないでしょう。私はこう思います。土地は誰のものでもなく、「地球」のものです。私たちは地球から「土地」をお借りしているのです。
人間は自分たちの存在意義、価値をモノに置き換えようとします。所有するモノが多ければ多いほど、「自分は豊かで、他者に認められる存在である」と錯覚するのです。しかし、それでは、心の不足感を埋めることはできません。いくら、有り余るほどの財産やモノを手にしたとしても、「もっと! もっと!」と欲は深まるばかり。いつも外側ばかりに目を向けて、内側を見ることをすっかり忘れているのです。本当の豊かさとは、真の心の豊かさです。
私たちは、そろそろ「支配」と「注目」から解放されなければなりません。

























