明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第179回 角地の駐車場 住宅地景観にもミスマッチ 武田亜輝士 不動産学部3年
住宅新報 2017年4月11日 号 4面
【学生の目】
大規模な住宅団地の入り口部分で、いきなり目に飛び込んできた写真の建物に驚いた。正直なところがっかりし、住宅地に入っていくことをやめようかと思った。
その理由を考えると、第一に、準角地の敷地がもつ、長い道路境界線のほとんどの部分を、道路からの出入りに使えることだ。店舗や倉庫では見られるが、住宅地では珍しい。
第二に、車の見え方だ。建物の妻側と平側に2台の車があり、それぞれの車の前面、側面、後面が見え、目に入る建物の見付け面積の相当程度を車が占める。せっかく高級な材料を使って綺麗に仕上げた建物の外観を損ねている。
第三に、車の止め方だ。妻側の車は敷地からはみ出している。建物一杯に上手に止めていることからすると、はみ出しは常時と思われる。
第四に、道路上に置いた段差解消スロープの多さだ。道路は公共のものだが、車のスムースな出入りのために、場所を限定して段差解消スロープを置くことは、よく見かけるし、慣習として認められると考える。しかし、広い範囲でL字溝をふさいでいて、許容範囲とはいえないのではないか。
住宅地で角地の役割は大きく、それに続く住宅の印象や価値に影響を与える(及川成美「不動産の不思議第174回」17年3月7日号)。角地ほどではないが、準角地にも同様の効果があり、プラスの効果を発揮することが期待される。また、敷地のどこからでも道路に出入りできることは便利な半面、安全や景観が見劣りする(今川知治「不動産の不思議第141回」16年7月5日号)。住宅地では出入り口を1カ所にするなど、品位を保つ作法が大切だ。
団地の入り口の重要な場所で、建築計画、外構計画になぜミスマッチが生じたのだろう。
まず、1階に必要な床面積を確保するには敷地が狭いことが考えられる。次に、十分な設計能力のある建築士を選んで力を発揮する機会を与えることをしなかった可能性がある。2台分の駐車スペースが必要なことを建築士に伝えなかった、途中で所有者が代わり想定外の利用をするようになった可能性もある。
いずれも、致命的な問題ではないが、そこに固定して動かない不動産の世界では、ある不動産が良ければ周囲に良い影響を、悪ければ悪い影響を与えること、いいかえると自分だけの問題では済まないことを、少しでも多くのひとが認識する必要がある。
【教員のコメント】
慣習法の英国は形や色、人や車の出入り等、敷地利用や地域への影響を審査して建築の可否を決める。成文法の日本は建築基準法によって建物を審査し、法を守れば建築できる。建物以外の部分や築後の利用など全体像をチェックする機能がない。
























