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スタンダード会員限定一般財団法人日本不動産研究所 地域再生とまちづくり ――各都市が目指すものは <第43回> 山形県東根市・新幹線駅と連動して新市街地整備 若年層に優しい施策 公益文化、スポーツ拠点など

住宅新報 2017年4月4日 号 12面

連載: 地域再生とまちづくり――各都市が目指すものは

総合
  • 昨年11月に開業した公益文化施設「まなびあテラス」

    1 / 4昨年11月に開業した公益文化施設「まなびあテラス」

  • 県内唯一の県立中高一貫校「東桜学館」

    2 / 4県内唯一の県立中高一貫校「東桜学館」

  • 移転する神町小学校予定地

    3 / 4移転する神町小学校予定地

  • パチンコ店跡地にはコンビニなど3店舗が開業した

    4 / 4パチンコ店跡地にはコンビニなど3店舗が開業した

 東根市は山形県村山地方の市である。山形市から北方へ国道13号を通り約25キロメートル、仙台市から北西方へ国道48号を通り約55キロに位置する約4.8万人の市である。人口は15年度まで増えてきて、約30年前の1985年と比べると、5800人程度増加した。

県立の中高一貫校も

 JR山形新幹線さくらんぼ東根駅の99年開業に伴い、一本木土地区画整理事業(さくらんぼ駅前地区等)が93~09年に施行された。中心部との一体的な市街地形成と新駅を核とするまちづくりとして、新しい中心市街地へ生まれ変わる事業だった。最近では県内で唯一の県立中高一貫校「東桜学館」が16年4月、中央南地区に開校。在校生は約600人で、東根市役所の直ぐ南側に位置する。また、公益文化施設「まなびあテラス」が16年11月に東桜学館の直ぐ南側に開業。図書館、美術館、市民活動支援センターが併設され、文化的な各種イベントが随時行われている。

 両施設と市役所がある中心部は人通りや車の流れが増え、市役所の直ぐ西側では、昨秋から冬にかけて、パチンコ店跡地にコンビニ、ドラッグストア、ラーメン店が開業し、より一層の賑わいが創出されつつある。両施設は元々、建物のない公園用地を開発したことから、中心部の街並みはガラッと変化を遂げた。

 こうした要因を受けて近接する地価公示地点「東根5-2」(さくらんぼ駅前2丁目)は16年、17年でいずれも0.2%と微増。県内では山形市以外で数少ない商業地のプラス変動となった。

 県立東根工業高校が14年3月に閉校したことに伴い、16年4月、高校跡地は中央運動公園として整備され、体育館、野球場、プール、人工芝の多目的運動広場(サッカー場など)の生涯スポーツの新しい拠点となった。体育館にはミーティングルームが備えられ、賑わいを創出する交流の場として期待されている。運営はセントラルスポーツと東根市体育協会の官民共同事業で、体育館はリノベーションしての再利用である。

分譲地、売れ行き好調

 中心部から目を転じると、陸上自衛隊神町駐屯地の西側で、神町小学校の移転・改築事業の計画がある。20年12月の開校を目指し、17年度に用地取得等で約8億円を予算化した。現在の市街地からやや郊外に移転することになるが、若木山に近く学習環境としては適したところだ。今後は旧小学校の再利用や跡地利用の動向が注目である。

 東根市は近隣他市と比べて子育て世代に優しい手当や施策がある、と言われている。山形や天童より地価は低額で、しかも両市と異なり市街化調整区域の指定はない。非線引き都市計画区域で宅地開発を行いやすく、若年層の購買意欲が強いため、最近ではJT作業所跡地の分譲地の売れ行きも比較的好調だ。公益文化施設や生涯スポーツ施設の充実により、若年層を中心に一層の定住が見込まれる。直近の人口微減に歯止めが掛かり、住民のニーズに合ったまちづくりが今後も期待される。

(日本不動産研究所山形支所、不動産鑑定士・橋本一憲)

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