ニュースが分かる! Q&A 空き家ビジネスはもうかるか? 地域再生促す気構えを
住宅新報 2017年2月21日 号 20面
連載: ニュースが分かる!Q&A

「空き家対策法」施行から2年。空き家問題への関心は高い
先輩記者 空き家問題が話題になってから、数年経つ。「空き家対策法」が施行されたのは15年2月下旬だったから、ちょうど2年前だ。
後輩記者 確か、老朽化した空き家は放っておくと倒壊の危険性があるし、衛生上も有害となる可能性がある。だからそうした空き家は市町村が除却や修繕などを指導・勧告し、最終的には行政代執行もできるようにする、という内容がありました。それに、空き家所有者を把握するために固定資産税情報の利用も盛り込まれていたし、他にも…。
先輩 そうだったね。不動産業界でも空き家の管理や活用に対する関心は高い。実際に取り組んでいる会社はまだ少ないようだけれど、これからの重要なビジネスになると考えているのでは。
後輩 全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)では、空き家管理を実践するためのマニュアルを作成しています。これは、空き家を取り巻く状況や、空き家管理ビジネスを実施する上での注意事項、空き家管理の基本モデル、運用管理指針などがまとめてあります。更に「空き家管理実務関連資料」という冊子も別に用意してあり、具体的な作業マニュアルや業務委託契約書の参考案なども用意されているので、これらを活用すればすぐにでも空き家管理ビジネスが始められるようになっています。
先輩 他にはどのような動きがあったかな。
後輩 とやまホーム管理サービスというNPO法人は、不動産会社や造園など多様な業種をメンバーに抱え、空き家の巡回を実施しています。それを続けていると、草刈りや修繕、除雪といった課題が出てくるので、それがビジネスになるそうです。また、数年すると売却依頼に発展するケースも出てきます。軌道に乗せるには、一定規模の管理件数は必要になりますが。また、NPO法人空家・空地管理センターでは、増加し続ける空き家と空き地を一つの巨大な〝有効活用マーケット〟として捉えています。全国で説明会を開きながら現地事業者との連携を模索しており、また、独自の空家空地管理士という資格も創設しているようです。
先輩 一般社団法人の全国空き家相談士協会も立ち上がっているよね。
後輩 空き家ビジネスに参入するためには、空き家対策法の内容や空き家に関する固定資産税、建物の耐用年数、その他建築知識も一定程度は持っていなければなりません。この協会の講習はそうした幅広い内容を効率的に学ぶことができるようです。
先輩 一口に空き家といっても東京と地方では全く状況が違うだろう。
後輩 東京なら空き家が発生しても、シェアハウスや子育て向けの賃貸など活用ニーズはありそうです。それに立地がよければ不動産事業者が買い取って、リフォームして販売することもできます。もっとも、ひどく老朽化して耐震工事に高額な費用がかかるようだと難しくなりますが。こう考えると、これからの不動産会社は、不動産業分野以外にも多様な知識を習得していないと空き家ビジネスには参入できませんね。
先輩 もちろんそれもあるけれど、空き家の活用で地域再生を促すという視点も重要ではないか。人口が減って地域に元気がないと、そもそも地域不動産会社はやっていけない。
後輩 そういえば自治体が運営する空き家バンクもありましたね。地元の不動産業界団体と協定を結んでいます。
先輩 空き家ビジネスは最初の相談から始まって、管理受託、そして将来の売却や有効活用に至るまでには相当な期間と手間がかかる。このビジネスの将来性は、こうした中小不動産業界と自治体との信頼関係も大きく影響することになると思う。






















