この原稿を書いているのは 17年1月17日。遡ること22年前、私は、神戸が本社のマンションディベロッパーの東京支店に勤務していました。その日の早朝、都内の自宅に関西の親族から電話があり、神戸で大きな地震があったことを知り驚愕しました。「え、うそやろ!? なんで神戸に地震が?」。私の実家のある神戸でも、「関東は、地震があって怖いなあ、関東に住むときは、気をつけなあかんで」という、その当時の常識があり、まさか、神戸に大震災が起こるなど、誰もが思っていませんでした。
震災から数日後、神戸入りした時に見た光景は、未だに忘れる事は出来ません。まるで、爆撃を受けたように破壊されていたのです。そして、地の底から突き上げるような激しい余震に、今まで経験したことのない恐怖を味わいました。
震災からの復興を見て気づいたことは、みんなが、それぞれ出来ることで協力することの大切さということでした。 力のある人は、力仕事、車のある人は、物資や水の運搬を担当し、得意分野や出来ることで、お互いが貢献し合い、見事に復興していきました。
この阪神淡路大震災からの学びは、日本は地震国であり、事前の備えが必要ということです。
建物の耐震性を確認して、必要であれば高めることはもちろん、自宅から火災を出さない意識が大事です。そして、自分たちを守るために、日頃から地域コミュニティの強化、心の連携を図っておくことこそが、最大の防災対策です。
災害時は、「被害者にならず、加害者にならず、傍観者にならない」ことが肝要。そして、防災対策は「悲観的に準備をし、楽観的に行動する」のがセオリーです。最悪をも想定し、自分たちの地域は自分たちで守るための対応策を予め準備することなのです。
このことは、景気の動向に対する考え方も同様と思うのです。
平時こそ大切
景気が悪くなってから、バタバタするのではなく、平時のあり方が、いかに大切かということです。
景気には波があり、まさかの事態は必ず起こるのです。備えあれば憂いなし。その時にどうするか?ではなく、その前に何をしておくか?の意識でじっくり検討し、行動してみることが大事です。
阪神淡路大震災で学んだのは、誰もが持っている人間本来の愛と勇気です。困っている人がいれば、何も考えず、助けるという本能的なものがあるということでした。
人生や仕事で、常に大切なことは、被害者にも加害者にも傍観者にもならず、自分に何が出来るか?主体性を持って行動をおこすことなのです。もし、あなたが自分のことばかり気にする自分目線になっていたら、要注意です。
「自分たちの中にある誇りと団結力が国・地域・家庭を守る」
企業も同じです。それぞれ自立と人と人の絆が大事であり、景気の有事にも備えることができるのです。
そして、人生や仕事で、常に人の役にたつこと、社会に貢献するという不動不変のものにフォーカスしていくことが、思いがけない事態や景気にも翻弄されない本当に強い自分につながることとなるのです。(小原秀紀=ノヴェル社長)
景気に左右されない不動産の仕事術〈目次〉
(1)景気とは何か?/(2)感性を磨く/(3)歴史から学ぶ/(4)阪神淡路大震災からの学び/(5)損得から尊徳へ/(6)競争から共創へ/(7)出入口の法則/(8)自分が源/
(9)軸を定める/(10)ベストセラーよりロングセラー/(11)不動産ビジネスの黄金律/(12)ご縁と感謝/(13)中庸の精神/(14)不動産の本質を知る/(15)すべては良きことのために/(16)志/※小原秀紀著書「不動産の仕事」(かんき出版・16年)にも多数の事例が掲載されています。

























