ニュースが分かる! Q&A ステータス管理導入から1年、効果は 後追い調査、検証が必要に
住宅新報 2017年1月24日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

ステータス管理システム図(国土交通省資料より)
友人A 言葉の移り変わりというか、うつろいは寂しいものがあるな。
記者B どうしたんだ。急にセンチメンタルになって。
A その「センチメンタル」っていうのもほとんど死語だけど、昨年も「ラッスンゴレライ」なんて流行ったが、あっという間に廃れたな。
B 廃れたとは言わないが、最近聞かなくなった言葉なら、不動産業界にもあるな。「ステータス管理」とか。
A おうおう。確か、一昨年の5月ごろ教えてもらった気がするが、すっかりご無沙汰だ。
B 昨年の1月から不動産流通機構(レインズ)で運用が開始され、1年が経つ。『返事のないのは良い便り』という言い伝えがあるけど、定着したとすればいいことだな。
A ちょっと復習させてくれないか。
B 不動産の売主が専属専任を含む専任媒介契約で元付け業者に売却を依頼した際に、レインズにきちんと登録されたかを売主自身が確認できる機能がまずある。そして、その登録された物件の販売状況を売主が確かめられる機能がもう一つの重要な機能だ。
A 何のためにそんな機能を設けたんだっけ?
B 本当に『うつろい』だな。「囲い込み」の防止だよ。元付けが物件登録して、客付けがその物件を照会した際に、「もう買いが入ってます」といって、実際にはそういう事実がないにもかかわらず、依頼を断ることだ。そうしている間に自力で買い手を見つける。報酬は売主、買主双方から受領する、いわゆる「両手」となり、一方側からしか受領できない「片手」に比べれば倍の報酬がもらえることになる。
A それは、業者の論理というか、都合が優先されているなあ。
B その通り。言うまでもなく、「両手」が悪いのではなく、無理に「両手」に持ち込むために、取引成立を遅らせたり、虚偽の報告をするような業務実態が悪いんだ。それを防ぐために導入されたのが、「ステータス管理」さ。
A あまり騒がれていないということは効果が出ているのかな。
B 効果自体は、実はよく分かっていない。大手から中小を含め、取材活動として不動産業者に聞いてみると、運用自体は順調だそうだ。国交省不動産業課に聞いてみても、1日100件くらい売主から取引状況の確認が行われていると言っている。東日本レインズだけでも月に3万件くらい売り物件の媒介登録があるので、全体数からすると少ないが、稼働が低調というわけでもない。
A 囲い込み自体は減っているのかということだよ。
B これも、明らかに減ったということは分からない。そもそも、国交省が囲い込みと認定したケースはない。詳細は省略するが、ステータス管理の「書面による購入申し込みあり」という表示と実際に齟齬があっても、売主側の情報不足に乗じてごまかす人もいるとのこと。
A 一見、うまくいっているようだけど、その裏側はまだよく分からないんだな。
B とはいえ、ステータス管理機能が導入されても、もし囲い込み行為が行われているとなれば、宅建業法を改正し、罰則を適用する用意があると自民党の中古市場活性化提言でも触れられている。『返事のないのは良い便り』などとのんきなことを言ってしまったけど、国のしっかりとした後追い調査が求められていると言えるね。






















