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スタンダード会員限定一般財団法人日本不動産研究所 地域再生とまちづくり ――各都市が目指すものは <第24回> 愛知県春日井市・高蔵寺ニュータウンの再生活動 小学校の統廃合が契機 4者連携の居住促進事業も

住宅新報 2016年11月15日 号 16面

連載: 地域再生とまちづくり――各都市が目指すものは

総合
  • 高蔵寺ニュータウンの人口・世帯数の推移

    1 / 3高蔵寺ニュータウンの人口・世帯数の推移

  • 中部圏を代表する高蔵寺ニュータウン

    2 / 3中部圏を代表する高蔵寺ニュータウン

  • 統合後の藤山台小学校

    3 / 3統合後の藤山台小学校

日本の3大ニュータウン

 東京都の多摩ニュータウン、大阪府の千里ニュータウンと共に、日本の3大ニュータウンに挙げられるのが愛知県の高蔵寺ニュータウンだ。

 名古屋市の北東に隣接する春日井市東部の丘陵地に開発され、総面積は約700ヘクタール。現在のUR都市機構の前身、日本住宅公団が施行した最初のニュータウンで、土地区画整理事業としては中部圏最大規模である。68年に入居が始まり、人口は95年にピーク(5万2000人超)を迎えた。昭和から平成にかけて「あこがれの高蔵寺」といわれ、名古屋市に通勤する高学歴、高所得者層が入居したそうだ。

 その後、春日井市全体の人口が横ばいか増加傾向であるのに対し、高蔵寺ニュータウンの人口は減少傾向が続き、15年4月現在では4万5217人と、ピーク時から1割以上減少した。また、65歳以上の高齢化率は15年に30%となる一方、0~14歳の年少人口率は約12%まで減少した。これら少子高齢化と人口減少の影響を受け、最初期に入居が始まった藤山台地区では3つあった小学校を12年頃から段階的に統廃合させてきた。

 高蔵寺ニュータウンでは春日井市、各団体・企業、そして住民が設立したNPO団体が各々の機能や強みを生かした様々な再生活動を行っているが、この小学校統廃合の計画は高蔵寺ニュータウンの総合的なまちづくりに向けた本格的な取り組み始動の契機だったそうである。

 再生活動の一つとして15年11月に春日井市、大垣共立銀行、春日井商工会議所、UR都市機構中部支社の4者による居住促進連携事業がある。事業内容は3段階あり、まずまちに住むきっかけをつくり(第1ステップ)、次にまちの良さを知ってもらう(第2ステップ)。そしてまちに住み続けてもらう(第3ステップ)。このステップをサイクルさせることで居住促進を目指す。

流通、空き家対策も

 具体的には、まずUR都市機構が(1)「近居割制度」を戸建て住宅等に拡充(15年9月実施)、(2)中部支社で唯一の対象地区に高蔵寺ニュータウン地区を選定。次に市が(1)藤山台地区での新小学校の開設、(2)旧小学校施設を活用した多世代交流拠点の整備、(3)(仮称)高蔵寺リ・ニュータウン計画を策定する。そして商工会議所が(1)高蔵寺ニュータウン住宅流通促進協議会において連携、(2)地元事業者と共同で、中古住宅をリノベーションして流通させるシステムを開発。16年2月から「高蔵寺ニュータウン空き家バンク」を稼動、運用している。

 また、大垣共立銀行は(1)ニュータウン地区限定の「低金利住宅ローン商品」を組成、(2)新たに「空き家対策ローン商品」を組成、(3)「子育て応援ローン商品」を市民が利用しやすく改善した。

 高蔵寺ニュータウンでの活動の成果はまだ目に見える形で測ることは難しい。だが、行政と各企業・団体がそれぞれの特徴を生かした連携体制を確立し、成果を上げることができれば、他の住宅団地や地方の再生・創生のモデルになると期待されている。

(日本不動産研究所東海支社、不動産鑑定士・石井識章)

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