ヨーロッパの古い教会を見ると、数は多くありませんが石造やレンガ造の化粧仕上げにテラコッタが使われています。イタリア語でterraは「土壌・土」、cottaは「焼く」という意味です。釉を使った磁器や陶器ではなく、素焼きの焼き物がテラコッタです。テラコッタは焼成温度(800度前後)によって出来上がりの色彩が変化します。また、粘土に鉄分が多いと赤っぽくなり、石英や長石分が多いと白っぽくなります。焼き物としては非常に原始的なもので、恐らく粘土を含む地面の上で焚き火などをしているうちに発見されたのだと考えられます。日本の土偶や埴輪や紀元前210年から209年にかけて建設された始皇帝の兵馬俑(へいばよう)も広義のテラコッタです。
古代においては粘土で彫像を造り、これを天日干しにした後、火おけの灰の中に入れて焼き固めました。最終的には窯に入れて焼くようになったようです。
時代が下ると建築の外装材としてテラコッタが広く使われるようになります。目地に水硬性石灰を使うことで防水性、耐久性に優れた装飾用スタッコを取り付けられるようになりました。教会建築のように左右対称が多く、紋様も繰り返しが多いデザインに、木型で容易に製作できるテラコッタは最適でした。装飾用途以外にも大判タイルとして修道院や市庁舎など、大型建築物の床に使われています。























