今年5月に研究会を設立。9月に2回目のセミナーを開き、本格的に活動をスタートさせた。都内に良質な定期借地・借家権住宅や施設を長期的に供給していくための体制づくりを目的とする。メンバーは不動産業をはじめ、建築や金融など周辺業界からも集まった。「先行きが不透明な中、ビジネスの選択肢を増やしておきたいという意識を持った人が多いようだ」。老朽マンションや空き家対策、保育所・介護施設の不足といった東京ならではの課題解決にもつながると見る。
大学を卒業してから二十数年間、マーケティングプランナーとして様々な業種の商品開発や営業戦略立案に携わってきた。その過程で空間設計やインテリアに興味を持ち、インテリアコーディネーターの資格を取得。現在は、フリーのマーケティングプランナーであり、かつ東京・南青山に開設したショールームを拠点に、デザインリフォーム・インテリアコーディネート会社を経営する。
なぜ今、〝定借〟なのか。
発端は数年前、自分が自宅を持とうとした時に感じた疑問だった。仕事に便利な都内で、好みの戸建て住宅を建てたいと思っていたが、希望するエリアでは予算のほとんどが土地代に消えてしまう。こだわりたいと思っていた内装やインテリアはあきらめざるを得ない。「不動産を次の世代に引き継ぐ予定はなかったので、土地所有へのこだわりはなかった」。土地は借りればいいと思ったが、実際には、一般消費者が手に入れられる借地の情報は少ないことが分かった。その後、インテリアの顧客からも同じ悩みを聞いた。
土地代が浮けば、その資金を他に振り向けることが可能だ。「インテリアや家族旅行、スキルアップ…。土地を借りるという選択肢を選ぶことで、他の可能性を手に入れることができる」。
研究会は始まったばかり。異業種出身だからこそ、定借普及の切り口を見いだしそうだ。 (井川弘子)























