知って得する建物の豆知識 195 住宅のコストダウン手法 重視ポイント以外に狙い 耐震性上げる効果も
住宅新報 2016年9月13日 号 7面
連載: 知って得する建物の豆知識

総二階建てを1としたときのコスト比
最近の施主の志向として、何が何でも安価に仕上げるというよりも、自分が重視するポイント、例えば設備の充実や部屋の広さを求めることに予算を掛け、その他の部分はできるだけコストダウンしたいという意識が明確です。建て売り物件などでは不特定の顧客を対象にするため、満遍なく予算をかける必要があるため高額になり、顧客の嗜好と売り手の意識に乖離が見られるようです。
さて、全般的なコストダウンの手法ですが、まずは外壁面積を小さくすることが重要です。表面積をできるだけ小さくすることで外壁コストおよび躯体コストが低減できます。最も容積が大きく、表面積が小さいのは球体です。球体の住宅も面白くはありますが、構造などで大幅コストアップします。木造で球体に最も近い形態は立方体。これを住宅のデザインに置き換えると総二階のデザインということになります。総二階の場合、出窓などを除き外壁に凹凸がないため、施工も容易で材料にも無駄が出ず、コストダウンが図れます。 開口部の上下の位置をそろえることはコストダウンだけでなく建物の耐震性を上げる効果もあります。一般的な壁で筋交いが入った壁面を耐力壁と呼びますが、この耐力壁が上下に通っていると地震や台風のときに受ける外力に対して抵抗力が上がります。恣意的に窓の位置を決めるのではなく上下の位置関係を立面図や平面図で確認することが大切です。また、コストを下げる意味からはあまり高さのあるサッシを使わないこともポイントです。大きな窓は開放感があって気持ちの良いものですが、サッシそのものの価格が高いだけでなく、ガラス面からの熱損失が大きいのでエアコン等のランニングコストにも関係してきます。
階高を小さくするのもコストダウンの有効な方法です。階高というのは下階の床から上階の床までの寸法のことで、この寸法を小さくすると外壁面積が減りコストダウンにつながります。階高を下げる最も簡便な方法は天井の高さを低くすることですが、あまり低い天井は現実的ではなく、最低でも2300ミリ程度の天井の高さはどうしても必要です。






















